書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

学習発表会と晋山結制のはしご

午前中は小学校の学習発表会。午後は昨日準備に出かけたお寺さんで晋山結制。

学習発表会を最後まで見ていたかったのですが、晋山結制の受付開始に間に合いそうになかったので、子どもたち学年の発表を見届けたら、急いで晋山結制に向けて出発しました。初日の今日、なるべく受付を済ませていただかないと、明日が忙しくなり過ぎてしまいます。ここは受け付け係として注意しなくてはならない最重要ポイントです。

各方面のお寺さんに対してお手伝いをお願いする行持としては、晋山結制と本葬儀、そして密葬儀があります。このうち、密葬はかなり特殊で、弔問客の人数はもちろん、どなたがお見えになるかも想定がつきません。受付現場は臨機応変な対応を常に求められ、気を張りっぱなしで勤めることになります。

それに対して晋山結制と本葬儀は、基本的には出席者が事前に判明しています。飛び込み客というのはほぼほぼ存在しません。ゼロとは言い切れませんが、普通はそういうことはしません。ですから、受付にはあらかじめ名簿もありますし、大半の方は配役についてらっしゃるので、初日からお越しになります。ですから、今日、来ていただいた方全員に受付をしていただければ、明日は仕事がゼロ、ということあり得るんです。

実際には明日しか来ない方もいますし、今日来ていても、受付は明日通ります、という方もいらっしゃいます。受付って、必ず通らなきゃいけないわけでもないんです。玄関に構えますから到着直後に寄るのが一般的ですが、受付が開くより先に到着されていた配役のお寺さんは、準備などがひと段落するまでは受付に寄ることができません。そんな事情で、理想的な流れにはなかなかならず、受付は混乱と背中合わせで緊張していることになります。

それでも今回は多くの方に今日のうちに受付を通っていただけました。明日はだいぶ楽ができそうです。受付の担当は、謝誼や記念品の受け渡しまでも含まれることが多いですが、この辺の細かなやり方も、いつの間にか私色のやり方が標準になってきているのを感じます。そりゃそうですよね。大半のこうした儀式の際には、受付に私がいるんですから…

でもこれからは頻度が徐々に下がっていくはずです。宗務所の同僚という関係で呼んでくださるケースが多かったですから、宗務所から出てしまえば、これ以上同僚は増えません。大抵は人生に一度の儀式ですから、同僚が増えなければ、呼ばれる可能性のある残り回数は減る一方ということになります。ちょっと寂しい気もしますが、そろそろ受付も世代交代の時期かもしれませんね。さらに効率よく、失礼のないやり方を、どんどん開発していってほしいと思います。

明日は新住職と首座さんが、それぞれ一生分の緊張感を持って臨む儀式が待っています。その頃には受付業務に区切りをつけて、本堂の隅からのぞいていられたら、嬉しいです。