書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

随喜と、準備と、

午前中、二ヶ寺の山門大施餓鬼会に随喜。今日は少しだけ過ごしやすい気候でしたので、汗の量も控えめでした。

今日の出来事は毎年同じなので、多分日記を遡ると何回も同じことを書いているんだと思いますので、今までに書いていないことを少しだけ。

寺院控え室の中のお話。

とあるお寺さんではかき氷が出るんです。大施餓鬼会の法要後に、果物などとともにかき氷が。私が高校生の頃に初めて随喜させてもらいましたが、その頃からずっと。始まりはいつかはわかりませんが、少なくとも20年以上続いていることになります。

近年では、私がかき氷を食べる機会というのもこの日1日ぐらいになってしまいましたので、貴重な機会です。今年もしっかりと完食いたしました。

もっとも、お店で食べるような豪快な量ではありません。おしとやかに食べる程度の量です。お腹壊したら次のお寺に迷惑がかかってしまいますからね。

別のお寺では、コーヒーフロートでお出迎えをしていただけます。これも長年続いています。これが楽しみでこの日を頑張っていると言っても過言ではありません。コーヒーフロートもまた、年に一度、ここで飲む以外にはチャンスがありません。当然こちらも完食、と行きたいのですが、トイレが近くなるため、コーヒーは飲み干すことができません。毎年残念かつ、残してしまって申し訳ない気持ちを抱きます。

正太寺でも、妻の意見を取り入れて和尚さん方のお出迎えには工夫を取り入れています。他のお寺でも趣旨は同様のはずで、お盆の最終盤でヘトヘトになってしまっている和尚さんがたに、なんとか元気を出してもらって、山門大施餓鬼会を無事に勤めていただきたいという思いが元になってのことです。

組寺でありますのでお互いに随喜をし合いますから、言葉通りにお互い様になるわけです。それでも心を尽くして迎えていただけるのは、やはりありがたいことです。

さて、午後からは正太寺の山門大施餓鬼会に向けて準備も最終盤です。お世話人さんがたに集まっていただいて、本堂正面に大きな水向け棚を設置。本堂内にも大きな施餓鬼棚を設置。本堂内の施餓鬼棚には、山門大施餓鬼会に併せて修行される塔婆供養の塔婆を立てて行きます。これがなかなか圧巻でしてね。

同時進行で本堂前の掃き掃除や門前にお精霊様を納めてもらう場所も設置して行きます。お世話人さんもみなさん3年目ですので、かなり慣れた様子で自然と役割分担をしてどんどん進めていってくださるので、ありがたい限り。わずか2時間ほどで、バッチリ準備が完了しました。

お寺の役というのは、地域の役と比べれば、私的なものです。公的ではありません。宗教法人という民間の法人の役です。無報酬ですし、ほぼ、順番だから、という理由で役にあたってくださいます。

引き受けた時のムチベーションは高くないはずです。それでも、これだけテキパキとお寺のために労をとってくださるんです。ありがたい。本当にありがたい。

それもひとえに、正太寺への信用と信頼があってこそ。それを裏切ることのないよう、より高めていけるようにと、心を新たにする1日でした。