書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

FileMakerと奮闘

正太寺のお檀家さんの名簿と過去帳のデジタルデータ管理をFileMakerに移行して、2年かな、3年かな、それぐらい経ちます。いわゆる差し込み印刷のようなものもAccessでやるよりはお手軽にできるだろうということでの選定でした。

その前は自前のソフトでしたので、特に印刷機能というのは難しかったんですよ。バチっと決まってしまえば大変綺麗に作れましたが。

データの移行は、今から思えば割と簡単にできました。未だに時折文字化けのようなデータが見つかりますが、FileMaker移行時のものか、最初期のソフトから自前ソフトへの移行時のものなのか、すでにもう調べようもありませんが、ともかく、大きな問題もなくデータ移行ができました。

その後、必要に応じて機能を付け足しています。スマホiPadから見るのに合わせて画面デザインを用意したり(外からは繋がらないのでお寺にいる時にしか参照できませんが)、護持会費を振り込んでいただくための郵便振替の払込票を、口座番号はもちろん、住所氏名の入った状態で印刷できるようにもしてあります(この位置合わせの大変めんどくさい作業は、師匠がやってくれました)。

そこそこ機能が整って来たように思っていたのですが、封筒印刷がありません。日本で封筒といえば、長3封筒です。FileMakerはアメリカ生まれですので、洋形封筒だとなんだか簡単にできる雰囲気がありましたが、長3封筒の場合はそんな簡単に行きません。

レイアウトのデザインモードに入って、同時にプリンターの用紙を封筒にしておくと、レイアウトのサイズもその大きさに変わります。この動作を理解していないとずいぶん労力を無駄に費やしますね。

あとはどこにどのデータを印刷するかを位置合わせするだけなのですが、郵便番号だけは難しい。あるあるネタなんですけれど、郵便番号を印刷するというのは、とても難しいことなのです。

封筒に郵便番号の枠が設けられていることって多いですよね。正太寺の封筒も、なぜかあるんです。手書きすることなんかほとんどないのに。枠がなくたって郵便局は何も困らないのに、未だにあの枠があるのって、なんなんでしょうね。

しかも前3桁と後4桁の間に微妙な隙間があります。封筒によっては枠の大きさが前と後ろで違うこともあります。

それなのに、郵便番号のデータというのは、前と後ろと分かれていません。分けて入力すなんて手間ですからね。

ハイフンも入っています。封筒に印刷する時には邪魔ですからどかさなきゃなりません。

枠に収めるには、字と字の間隔、字間というやつですね、それを調整しなくてはなりません。でも、FileMakerにはないんですよ、字間の調整。

もう、想像するだけでめんどくさい。

困り果てて、インターネットの大海で調べてみたら、繰り返しフィールドというのを使うといいらしいというのが分かりました。しかし、画面写真とともに解説してくれてあるようなものは見つけられず、文字での記述を元に、試行錯誤を繰り返して、夜になってようやく出来上がりました。

繰り返しフィールドを説明するのは私にはとても難しいので、興味のある方は「FileMaker 繰り返しフィールド 郵便番号」などとして検索すれば、分かりやすい説明が出てくると思います。

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今回の使い方で言えば、郵便番号という一つのデータを、複数の枠に、それも一文字ずつ分解して収めてくれるありがたい機能です。今回は、同じデータを元に二つの大きな枠を作っていて、一つの枠には郵便番号データの1文字目から3文字目を抜き出したものを、もう一つの枠には同じく5文字目から8文字目を抜き出したものを、それぞれ収めています。そして、それぞれの枠が内部でさらに一文字ずつの枠に分解されているんです。

(4文字目はハイフン(「-」)ですから、使いません。)

で、この複数の枠ですが、普通の枠と同じように、サイズを変えたりできます。クリックすると先頭の枠の幅が伸縮できるモードになって、それをいじると連動して後ろの枠も伸縮します。

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結果として、字間が調整できたということになります。

ま、最初からワープロのように調整出来れば方法を調べる必要もなかったわけですけども。行間は調整できるんですよ、ワープロのように。字間の調整も需要はあると思うんですけどねぇ。

ともかく、その後、テスト印刷を何回か行いながら印字位置の微調整をして、封筒印刷が無事にできるようになりました。

実は、初盆を迎えるみなさんに、正太寺の初盆行事を案内するお手紙を用意しているところなのです。中身は整ったのですが、封筒がない、というわけで、今日の仕事となった次第。

FileMakerを使っても、檀家さんの名簿と過去帳のデータは別のデータベースとして管理しています。が、連動させることはできるので、例えば初盆のお宅でしたら、過去帳の中の命日を元に、該当するお宅だけを抽出できるわけです。そして今回封筒印刷もできるようになりましたから、そのまま宛名書きも済ませられるというわけで。

パソコンが手伝ってくれる分野はなるべく手伝ってもらって時間を短縮し、その分の時間を有効に活用していこうと、常々考えておりますが、最初に仕組みを整えるのにはどうしても時間がかかります。今日だって、FileMakerから抽出した宛名情報を筆まめとかに読み込ませれば、ものの十数分で目的達成ですからね。何年間でこの十数分を取り返せるかなぁ。ちょっと時間がかかりすぎました。