書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

口語での引導、無事に終わりました。

よく知る方の葬儀、それも毎月欠かさずお寺に通っていた方の葬儀でした。辛くないはずがありません。口語にしてしまったが故に、引導法語の時間は大変辛い時間となってしまいました。

私が子どもの頃から毎月ですから、かなりの頻度ですよね。何をしに来ていたかというと、住職と親交を深めに来ていたんです。親交を、ね。

毎月居るんですから、子どもでも存在を認知しますし、大人になってからはパソコンの使い方で頼られることもありました。病気をされてからは冗談交じりに、葬式はおまえがやるだでなと言われたことも。

今となってはどこまで本気だったのか、知る術もありませんが。

引導法語の途中でさすがに声に詰まってしまいましたが、しばらくの放送事故の後、何とか最後まで勤めを果たすことが出来ました。

その後ご遺族とお話しした際に、ありがたい言葉をいただきましたと言ってもらえましたので、一所懸命声を絞り出した成果はあったようです。

私としても、あんなに辛くても何とかやれるという自信も得られました。今後も口語の引導法語を続けていくことが出来そうです。

ご遺族と比べれば、私の辛さなどたいしたものでは無いはずです。せめて何かひとつ、前へ進む拠り所に、と思います。