後席、と言われて何かすぐ分かる人は家長の立場を経験している人、になるでしょうか。法事の後の席。精進落としと言われることもありますね。呼び方は様々ですが、界隈のお寺さんの間では、「後席」で通じるようになっています。
今日の法事では、後席にお呼ばれすることになっていました。2月の頭から是非にとお誘いをいただいていまして、住職夫妻が留守の日ではあるものの、妻が居ますから特段問題は無いと思っていたのですが、日も迫った火曜日になって問題発生。
天竜浜名湖鉄道が主催する「天浜路ヘルシーウォーク」の開催日に当たり、正太寺がコースに含まれていますのでよろしくと連絡がありました。
それは何ら問題無く、コースに入れていただいてありがたい事この上ないのですが、ウォークのついでに納経帳への御朱印を求められる方が多いのです。コース設定上、正太寺への到着はお昼前後になる見込みで、それはすなわち、後席に行く時間。
御朱印を押すだけなら妻でも対応できますが、手書きするとなるとまだ荷が重い。一冊二冊ならば良いのですが、10冊以上になってくると、子どもたちのお昼ご飯タイムもありますし、おおごとになってきます。
良いんですよ、子どもたちは勝手に食べてくれるまでに成長しましたから、普通ならば放っておけます。でも、放っておけないタイミングでお客さんは来るものなのです。
これはもう、避けられないのです。そういうものなのです。
そうしたことに不安を感じましたので、申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、後席を断る電話をしました。快く受けていただけましたけれど…
そして迎えた当日。朝から雨。ヘルシーウォークへの参加者も少なめらしく、お施主さん宅での読経を終えてお寺へ戻っても、御朱印を求められた形跡はありません。お墓経、位牌堂でのお念仏の最中にはウォークのお客と思われる参詣者が数名いらっしゃいましたが、御朱印は求められず。
結局、午後からお二方、かな。それだけでした。
うん。これはもう、こういうものなのです。後席を断らなければ、天気予報に反して良い天気になり、お客さんで賑わうのです。そういうものなのです。
深く考えず、今を見つめることが肝要。
でもね、やはりね、判断の結果がうまくいかないと、沈みがちです。申し訳なかったなぁ…