書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

宗務所休日出勤、ScanSnapフル稼働!

休日出勤です。よくよく考えたら2週連続でした。


休日出勤した理由はただ1つ。集中して仕事をするため。いよいよ、寺籍簿の電子化を開始するのです。構想自体は今期宗務所から始まる前から練っていましたから、2年ほどにはなるでしょうか。ようやく、です。


寺籍簿とは、お寺毎に宗務庁への進達書類、許可書類などをまとめた帳簿です。これを見ると、住職が誰か、責任役員が誰か、後継者は誰か、住職の教師分限は何であるか、などなどいろんな事が分かります。お寺の履歴書といえます。


同様のものの個人版として僧籍簿があります。こちらは僧侶個人の履歴情報の集まりで、誕生日、得度日、師匠は誰か、今どこのお寺の所属か、などなどの情報です。基本的には日付データの集まりで、実際に交付された辞令などは、寺籍簿にまとめられています。


お寺の履歴と僧侶個人の履歴は密接に結びついていますので、はっきりと分けられないんですよね。個人の履歴に関わるものだけを分けて、個人別に管理することも可能ですけれど、そうすると僧侶の人数分だけファイルが出来ることになり、それを保管する場所が必要になり・・・ファイル自体の厚みって、無視出来ないですから。


そんな事情はさておき、電子化です。電子化と言っても、難しい話ではありません。寺籍簿に綴じられている書類を、スキャナで読み込むだけです。OCRで文字情報を認識し、PDFに埋め込んで、後から検索が効くようにします。


こうすることでいずれは紙の束である寺籍簿を廃止して、大きな棚を1つ消し去ろうと目論んでいるのです。


紙の書類の保管も大切ですけれど、宗務庁には進達書類の原本が在り、お寺には交付書類の原本があるのです。宗務所にあるのはいずれも複写。宗務所で保管している理由の最たるものは、お寺さんで紛失した場合に備えて。宗務庁まで原本を確認しにいく手間を省くため、です。


それならスキャニングしたデータで十分、となります。取り込んだデータを印刷してみたところ、コピー機でコピーしたほどではありませんが、十分鮮明に印刷出来ました。読み取り解像度を上げればもっときれいに出来るはずですが、保管する際のデータ量とのバランスもありますので。


というわけで、スキャニング作業です。昨年から宗務所に導入されているScanSnapを活用します。こいつで取り込めば、文字認識したPDF作成までを、自動でやってくれます。ファイル名を付けて保存するだけなのです。


しかし、同じサイズの原稿に揃えないとうまく動作してくれません。寺籍簿の昔の書類はB5版。最近の書類はA4版。進達における添付書類や、許状の類はサイズもバラバラ。これらを、B5ないしはA4に合わせてコピーし直し、ScanSnapにセットするまでが一仕事でした。


意外と書類の順番もまちまちで、進達書類の前に許状が来るのか、後に来るのか、その時の気分次第、担当者次第、といった感じです。


そもそも別の書類の添付書類が混ざり込んでいることもありました。長い年月の間、書類の参照を繰り返す間に、いろいろとあったのでしょう。それらを正しくまとめるのも、けっこうな手間となりました。


結局、テストとして正太寺の寺籍簿を取り込んだところで、一日が終わってしまいました。恐るべし正太寺。


かなり肩が凝りましたが、明日また出勤して、次のお寺へと進む予定です。あまりに繁雑な作業内容のため、勢いよく進まないと、三日坊主になりそうなのです・・・