書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

葬儀会館のおかげで体は楽になったけれども

湖西市にもエコー会館、湖西ホール、やすらぎ苑と、3つの葬儀会館があります。近年急激に登場しました。それ以来の数年間、正太寺のお檀家さんもほぼ全ての方が、会館を利用した葬儀を行っています。


空調完備。イス席。


着物がびしょ濡れになるほどの汗をかいたり、開式直後にトイレに行きたくなるほどの冷えと戦ったり、そういう事が無くなった数年間です。


あぁ、トイレに関しては、元々が近いので、今も悩まされていますけれど。


参列にの方にとっても、参列しやすい形ではあるのでしょう。雨が降っても大勢が屋内に入れます。自宅であれば、親戚が入ればいっぱいですから。それは良い点ですよね。


でも、ご近所の高齢者が参列できないという弊害もあります。二世帯で暮らしていれば子どもさんに送ってもらう事も出来ますが、そうでないお宅も多いです。仕事を休んでまで送る事も出来ないでしょう。


自宅には香典場が出来ますので、香典を届けるぐらいは出来ますが、長く付き合ったご近所さんの葬儀に参列できないもどかしさを感じられる方も、少なからずいらっしゃることでしょう。


あちらを立てればこちらが立たず。難しい問題です。


みんなが笑顔になれる良い方法があれば良いのですが、物理的な問題ですので、どうにかなりそうもありません。もどかしいです。会館が出来る前は、雨降りでどんなに大変でも、葬儀とはこういうものだ、という考えでした。でも、会館での葬儀を知ってしまった今ではきっと、なんで会館を利用しないのか、という意見も出てくる事でしょう。


新しい事が出てくれば、古い事と軋轢が生じるものです。今はその軋轢が目立たずに、ぱっと見スムーズにことが流れているようですが、いつどこで、どんな激流になるか分かりません。取り扱うのが葬儀という、それだけでも難しい儀式ですから。


日々平穏でありますように。仏教の目指す究極です。日々、平穏でありますように。