書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

稲荷様大祭

宇津山稲荷大明神、宇津山稲荷托枳尼真天、宇津山托枳尼真天。いろいろ呼び方はありますが、ざっくりと稲荷様、とお呼びしています。難しく考えなくても、正太寺を護ってくれる鎮守様であることに違いはありません。ご本尊聖観世音菩薩に次いで、大事な神様です。


神様なのですよ。神様なのですが、仏教を護ってくれるようになった神様なので、お寺におまつりしているのです。正太寺を護ってくださる、お檀家さん方を護ってくださる、大事な大事な神様です。


今日は年に一度の大祭です。事前に、婦人部の役員さん方にお願いして、ご祈祷の注文を受けてあります。朝、まずお札をお供えして、ご祈祷をします。ご祈祷の注文をされた方がお参りに来た折に、そのお札をお渡しします。また、注文の際に食券をお渡ししていますので、その食券を提示して頂くと、婦人部の皆さんの手による大変おいしい昼食を食べていくことが出来ます。


メニューはご飯、豆腐とキャベツの味噌汁、ネギぬた、おから、そして大きな油揚。だいたい毎年同じですが、昨今では炊き出しが貴重な機会となりました。おひつの香りのするごはんを食べる機会も減ったことでしょう。おいしいんですよ、これがとっても。


お札の受け渡しを始め、それらの袋詰めなどは、お世話人さんのご協力です。他にごますりも。穏やかな日ではありましたが、寒い冬です。のはずなのに、上着を着ていられなくなるほどの力仕事。ありがとうございました。


だいたいお昼のお接待が終わると、いよいよ大祭のメインであるご祈祷法要を厳修します。お世話人さんと婦人部役員さんに稲荷殿に入ってもらい、まず始めに、ご祈祷を事前に申し込まれた方の分をお勤め。お札のご祈祷と、このご祈祷で、初めてお札に稲荷様のお力が備わる、そういうイメージです。


引き続き、お世話人さん、婦人部役員さんの特別祈祷です。皆さんに配るお札は、厚みはあるものの紙製なのですが、お世話人さんには木札です。ちょっとだけ、特別に。


合わせて1時間近くかかる法要です。お疲れのところで大変だったとは思いますが、しかし、今年も厳かにお勤めすることが出来ました。ありがたい、ありがたい。


また、昼食の売れ行きも好調でした。例年よりもかなり大勢の方に召し上がって頂けたようです。油揚が足りなくなりそうで冷や冷やしたとか。寒いとはいえ、穏やかな天候が幸いしたようです。雨でも降ると、びっくりするぐらい寂しくなりますからね。


大変な労力を必要とする大祭ですが、終わってみると、幸せな気持ちになります。けっして派手ではなく、知名度もさっぱり無いお祭りですが、それでも毎年こうしてお勤めが出来ているというのは、本当にうれしいことです。鎮守様もますますお元気に、正太寺を、お檀家さんを、仏法を、護ってくださることでしょう。私も鎮守様に負けずに、努力を続けたいと思います。