書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

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お年忌があって、お墓経が暑くて。そういういつもの土曜日です。お盆の忙しさで忘れかけていた、普段の土曜日が帰ってきました。


お年忌というのは貴重な布教の機会です。お経を一緒にお唱えすることも出来ますし、お説教をすることも出来ます。参列の人数が少なければ、和尚が1人でしゃべるスタイルを崩して、座談会のような形式を取ることもあります。お袈裟を外して改良服に着替えながら、何か普段聞けないようなこと、お寺について気になること、なんでも思いついたことを聞いてください、ってね。


今日がそういう時間でした。お説教よりも、こういうスタイルの方が私は好きです。1人1人に話しかけられるから。お年忌としては、大勢でお勤めした方が、仏様も賑やかで喜んでくださるような気もしますが、何かとお金がかかってしまう昨今のお年忌です、毎回賑やかにと言うのは、お施主さんにとっても過度の負担だと思います。そういう意味で、時折、家族だけでお参りして良いかねぇ?と聞かれれば、たまには良いと思いますよ、と答えるようにしています。


お説教の時は一方的に話すだけで、そこにいる人がどんな考えをしているのか分からないのですが、なんでも聞いてくださいと言って出てくる質問は、その人の個性を表してくれるので、楽しいです。回答の難しい質問も時にはあります。回答の仕方も、内容によってはあえて回答を出さずに誘導する必要のあるときもあります。どんな質問が出るか、緊張しますよ。


でもお寺はよろず相談所。一緒に回答を探したり、答えのでない問題をただただ話し合ったり。そういうのが大事な役割です。お説教も大事、座談会も大事。バランスを取って選択し、信頼感を持って質問してもらえる場を構築していきたいと思います。