書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

いよいよ正太寺の山門大施餓鬼会

お盆も最終日。いよいよ正太寺の山門大施餓鬼会です。例年の通り13時から。今年も大勢の参詣者をお迎えし、盛大に修行することが出来ました。これもひとえにお檀家の皆様と、随喜くださった近隣のご住職方のおかげです。ありがとうございました。来年もまたよろしくお願いします。


初盆を迎えられたお宅も、そろそろ一段落した頃でしょうか。8月に入る前から、様々な準備に追われてさぞ大変な思いをされたことでしょう。しかし、大変な思いがあるからこそ、新仏様をお迎えする気持ちもまた強く大きくなっていくのです。そこまでしてお迎えするからこそ、新仏様も喜んでくださるのです。


日本のお盆は、ご先祖様をお迎えする行事と、地獄の餓鬼にまで施しをするという大功徳の得られる行事とが、一体となって営まれる特殊な時期です。地域によってはお盆はお盆としてお勤めするところもあるようですけれどもね。成り立ちは、まったく別の、それでいてよく似ている、お釈迦様の教えが元になっています。


大施餓鬼会はその時から想像できるとおりに、餓鬼にまでも施しをする=ありとあらゆる生命に施しをする修行です。様々なお供物に水を手向けることで、けっして満たされない餓鬼の食欲を満たし、その功徳でもってご先祖様をご供養する、それが大施餓鬼会です。


ですから、お盆の間は虫も殺さないように、と言われるのですよ。虫もまた、大施餓鬼会によって施しを受ける対象です。これから施しをしようとする相手を、殺してどうするのですか、と。食べるものも自然と野菜が中心になります。もっとも、野菜にだって、命があるわけですけれどね。


皆さんは今年のお盆を、どのようにして過ごしましたか?
お寺さんでお盆についてのお話を聞く機会はありましたか?
一族の長老からお話を聞く機会はありましたか?


核家族の、自分の家族だけで過ごしていたら、伝わるものも伝わらなくなってしまいます。今年はもう間に合わないかも知れません。今年はそういう機会がなかったとしたら、来年は、機会を自分で設けましょう。来年まで、なんとしても生き抜いて、その機会に巡り会いましょう。一日一日に気をつけて。