書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

密葬儀

予定通り、密葬義に参列してきました。風邪も悪化はせず、無事に参列出来たことは嬉しいです。住職の葬儀は、在家の方の葬儀とは少し違います。やっている内容は同じなのですが、冒頭の授戒の部分が無いため(戒律を授かり僧侶となる儀式ですから、住職には不要)、他の部分を手厚く行うことが出来るためです。


次第の成立した順序は逆で、住職の葬儀式の次第があり、後から在家用の次第が成立してきた、はずですが。


本葬義にはもっと遠方からも縁のある和尚さん方や、大勢のお檀家さんが参列されるのでしょうけれど、密葬ということで、お檀家さん参列は少し控えめでした。寒い時でもありますし、その方が良いと思いますが、ただ、ご遺体に接することが出来るのは今日限り。そう思うと、和尚の最期というのは、割合寂しいものだなと考えてしまいます。


本葬義をする頃には悲しみもずいぶんとおさまってしまうでしょうし。


ただ、本葬義をするにはそれなりの準備期間が必要です。お役に付く和尚さん方も決めなくてはなりません。法要進行について、打ち合わせも必要です。本山御専使という、両本山の貫首(住職)様の代理を務められる方も必要です。すぐに整う話ではありません。


すぐに本葬儀を行い、多くの方に、まだ悲しみの深いうちに見送られたいと私自身は思うのですが、今のやり方ではそれは無理難題のようです。


自分のことを考える前に、まだやるべきことがありますけどね。順番通りであれば、私も見送る立場になるわけです。あまり想像したくはありませんが、必ずやってくることです。生きている間は、別れからは逃れられません。そこをしっかりと自覚しなくては、なりませんね。