書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

予定外な日々

お寺の仕事というのはなぜにこうも予定外なのか。朝起きると、昨夜の内に葬儀の依頼の電話があったと知らされました。これを機に新しくお檀家さんになるそうです。今日お通夜、明日葬儀という日程。亡くなられたのが昨日ですから、日程としては通常通りなのですが、時節柄、強行日程のようにも感じます。しかし、先に延ばすとなるとだいぶ後になってしまいますから、この判断はしごとく真っ当なものですね。


ご遺族ご親戚、ご会葬の方々も大変な時期ですが、お寺も負けず劣らず大変です。仕事を先回ししておいたおかげでなんとか乗り切れそうですが、もしそうでなければ仕事量がパンクしていたかもしれません。なんとなく先回ししてきたのですが、これも仏様のお導きでしょうかねぇ。


さて。


今日からいよいよ、お供えのお米やお餅を位牌堂にお供えします。今までにお預かりした分、そして今日お預かりした分に、名札を付けて、位牌堂に運び、ご先祖様のお位牌の前にお供えします。お位牌を探すのがけっこう大変でして、師匠はさすがにたいていのお宅のお位牌の位置がスッと分かるのですが、私はまだまだです。的中率5分の1ぐらいですね。


数年前に調査したリストがあるので、それを片手にお位牌を探し当てるのですが、その後のいろいろな事情でお位牌の場所が移動していることも多々あり、なかなか簡単には見つかりません。そろそろ再調査が必要な時期だと痛感します。ここ何年かで加わった新しいお檀家さんは、まだそのリストには入っていませんしね。記憶だけが頼りです。


お位牌の場所もなかなか覚えきれませんが、お墓の場所はさらにさっぱりです。お檀家さんは当然我々は知っているものとしてお話をされますが、実際にはほとんど分かりません。最近お年忌をされたお宅は覚えていますが、何年かすれば忘れてしまいます。お位牌の場合は、当代か先代、先々代のご当主の名前が、お位牌の後ろに書かれているので(「だれだれ建立」)、それを頼りに簡易に調べることも出来ますし、当然お戒名が書かれているので、過去帳を参照すれば、正確に調べることも出来ます。しかしお墓の場合は遙か昔の方の建立であることも多いですし、お戒名を墓石に刻む風習は無いために、その家の方でないと分からないのが実情です。過去帳に載っている範囲の方の建立であればまだ調べやすいですが、同名の方もいるわけですし、特に入出は池田・山本の姓が極端に多いですから、過去帳内での同姓同名なんてざらにあります。 たぶんこれだろう、というぐらいしか調べか付きません。


お年忌を繰り返しながら、記憶していくしかないんですよね。気が遠くなる作業です。意外に出入りの石屋さんの方が詳しかったりしますからねぇ。


お墓の話は完全に余談ですけれどもね。
今日はお供えをして一日終わりました。明日は、笹を活けて、花ガラをもう一度集めて軽トラに積みっぱなしにして(環境センターはもう動いていないので処分出来ません)、それから最後に、お寺としてのお供え餅を上げて回ります。年越しのお経もありますから、夜まで仕事が続きます。そして、冒頭にも書いた葬儀があるわけです。てんやわんや。


お寺の年越しはドタバタです。今年は輪をかけてドタバタになりました。しかし、一切について手を抜かずに、気を入れてしっかりとお勤めしたいと思います。