書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

稲荷様大祭

昨日日記に書いた稲荷様の大祭が、本日無事に開催されました。心配された雨も、午後からのご祈祷の後に少しぱらついただけで、風もなく、穏やかな天候の中で開催することが出来ます。これも稲荷様のご加護かと、感謝感謝です。


8時に婦人部の皆さんが集合し、昼食のための炊き出しを始めます。ご飯と味噌汁、たくあん、おからとネギぬた、油揚げがメニューです。稲荷様のお祭りですから、油揚げは欠かせません。ネギぬたは、ゴマすりから味噌、砂糖、酢を加えて混ぜる所まで、お世話人さんの仕事です。力仕事ですからね。3つのすり鉢を使い、6人がかりで取りかかります。


世話人さんの集合は9時。それまでに、お札のご祈祷を行います。一年間、お檀家さんのお仏壇に入るとこになる、稲荷様のお札です。仏壇の中でなくてもいいんですけどね、なかなか適当なところが無いようで。


11時頃になると、お札を申し込んだお檀家さんが、お参りに見えます。それに間に合うように、お札をお札袋に詰め、一緒にマッチなども入れます。これが、お世話人さんの最初の仕事。たいてい、ゴマすりの時間と重なりますから、そちらと手分けになります。


お札セットが出来上がると、お世話人さんは稲荷殿にストーブを持ち込み、お檀家さんを迎えます。お札を渡し、名簿にチェックを入れます。これが最も重要な仕事。都合で取りに来れなかったお宅には、婦人部の皆さんに手分けで配っていただくので、この名簿が頼りになるのです。お札を受け取った方は、昼食会場で、婦人部の皆さん渾身のメニューを召し上がっていただきます。


そんな具合でお昼時が過ぎ、13時頃になると店じまいです。片付けをして、いよいよお世話人さんと婦人部の皆さんと共に、ご祈祷法要となります。


朝のご祈祷では、お札を申し込まれた方の名前は読み上げていませんので、ここで始めて読み込みを行います。婦人部の皆さんが、それぞれに受け付けた名簿を持ってきてくださるため、朝には間に合わないのです。一枚のお札のご祈祷を、2回行っているわけですね。


そしてもう一回。今度はお世話人さんと婦人部の皆さん、そして特別にご祈祷を申し込まれた方の、時別祈祷を行います。やることは一緒ですけれど、お札が、紙製ではなく、木製になります。お祭りの裏方を支えていただいた皆さんです。たくさんのご功徳があるのです。それを回向するのです。


そうして一日が終わりとなります。我々お寺の人間は、それからも片付けに追われて、ゆっくり出来るのは晩方になってから。夕食は、昼食と同じメニューです。残り物ですね。残ったものはそれぞれお世話人さんと婦人部の皆さんに分けて持って帰っていただくのですが、持ち帰りきれない分を、お寺で頂くわけです。仕事をしながら慌ただしく食べたお昼と違って、ゆっくりと食べる晩は、またひと味違うのですよ。


こうして、今年の稲荷様も、無事にお勤めすることが出来ました。いよいよ、年越しです。今年も残り10日。体調を崩さないように、がんばって参りましょう。