書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

節分です。遺影の精抜きをしました。

20200203 明日は立春。毎年のことながら、春の気配は感じません。それでも節分はやってきて、夜には節分に合わせてのご祈祷と豆まきをする予定です。

早朝から、友人の依頼で遺影の精抜きをしました。東京で働く友人の会社では遺影の作成をしているのですが、遺影の処分について悩んでいる人が多いように感じるということで、それらを引き取り、正太寺で供養してもらおうと考えたわけです。昨年末に相談を受けていたのですが、帰省に合わせて遺影を携えてきてくれたので、一緒に精抜きのお勤めと、お焚き上げをしました。

仏教的な観点で言えば、モノはモノ。でも人間は、簡単に物に意識を奪われてしまいます。こういうことがあるからお釈迦様は偶像崇拝を禁じたのだと思うのですが、しかしこれも人の世の常。亡き人の写真を掲げたいと願うのはごく自然な成り行きです。ただ、全てのものは無限に存在し続けるわけではありません。いつかは朽ち果てる。

古くなった遺影を、さて、どうしたものかとここで新たな悩みが生まれるのですが、そこに寄り添うのもまた仏教の役目でしょう。私の行う儀式で安心してもらえるなら、頼られて断る理由はありません。

儀式の様子を写真とビデオで納めて、会社のWebサイトに掲載して、安心して預けてもらえるようにはからいをするそうです。

ちなみに、遺影を預かる際には特段金銭は頂かないとのこと。でも正太寺には彼の会社からお布施を納めてくれました。ありがとうこざいます。

反響はかなりあるようですので、今後も継続的に遺影が届くことになりそうです。誰しも手放したくて手放すわけではないでしょう。私からは依頼者の顔は見えませんが、その心に寄り添って、丁寧にお勤めしようと思います。

正太寺では他のものでも無碍に捨てられないという際には相談に応じています。お気軽にご相談ください。info@shotaiji.or.jp までお気軽にご相談ください。