書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

法式作法、買えない…

お寺でお勤めする法要は、厳密に細かなところまで決められています。決められているのに、まだ解釈の余地があって打ち合わせをする段階でさあどうするか、ということになるので困りものですが、その原因は会場のサイズが一定でないことが大きな理由です。地方寺院の場合はどんな法要も本堂でお勤めするのが通常であり、そのサイズは様々です。ということは、これ以上細かなところまで決め打ちできないということになります。

それだけに、そのほかの細かく決められた部分についての知識が大切になります。そうした諸々を「法式」という一言で表していますが、それをまとめた本というものも存在します。そんな中、「曹洞宗法式作法」(全二十巻)のPDF版が出るという宣伝が届いていました。今月末までに予約をすれば、予約特価の27,500円で購入できるというものです。定期は49,800円になるということなので、45%オフ、かな。かなりのお得度。この価格差を考えると、この機会を逃したら2度と購入を考える機会はないかもしれません。

PDF版であれば、スマホはサイズ的に厳しいとしてもタブレットならだいぶ見やすいので、常時持ち歩くことも可能です。いつでもチェックできるなんて最高に気持ちいい。これは買わねばとお寺の懐事情と相談していたのですが。

来月は、通常の光熱水費等の維持管理費以外に、PCソフトの更新があります。Adobe CCにFileMaker。この二つを考えただけでも法式作法の購入に躊躇してしまいます。10月に車検があるし、例年ですと10月末ごろに庭師さんから請求書がやってきます。これが300万円を越えることが常態化していて…ぼったくられているわけではないですよ。それぐらいかかるんです。台風の直撃があるとそのたびに片付けに入ってもらってさらに積み増しになるので、台風が少ないことを願うばかりです。

山が境内というのは、素人ではどうにもならない部分が多くて、プロ頼みになってしまいます。経費がかさみます。平地のお寺ならこの費用はかなり少なくて済むはずだよなぁ、なんて考えて、ついつい羨んでしまうことがあります。僧侶でもね。

そんなこんなで、お金が足りなくなることが心配で、一生モノの本を買えないかもしれないという事態になっています。ほかに兼業をしているわけでもないのに、住職に必要な知識の勉強に役立つものを買えないなんて、それは果たして許されるものか、というぐらいに重要な問題なのです、私にとっては。

予約特価の締め切りが今月末でなければここまで悩まなくて済むのかもしれませんが、まあきっと、いつのタイミングでも同じでしょうね。もう一度会計を眺めながら考えてみます…