書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お年始回り Part 1

昨日は兄弟がお寺に集まってくれました。今日は私もお年始回り。浜松のお師匠様のところと、妻の実家へ向かいます。とはいっても、朝起きて出かけるというわけでは当然ありません。昨日と同じようにお檀家さんと朝のお勤めをして、それからです。朝食が終わるのが8過ぎになりますので、それから準備を整えて。その間にお年始回りのお客様もお迎えして、出発したのは9時ちょっと前でした。

浜松のお師匠様は昨年住職を譲り、今は東堂。いわゆるご隠居さんです。何かお変わりあったかなと思っていたのですが、どうやらまだまだ最前線でバリバリのご様子でした。お元気ですから、なかなかすぐに全部の仕事を譲るというわけにもいかないのは、自身の身に当てはめてもよく分かります。私もまだまだ師匠に頼っている部分が多いですから。

1時間ほどお邪魔をして、その後は妻の実家の菩提寺へ初詣をして、妻の実家へ向かいます。

菩提寺さんではお参りの方にお抹茶を振る舞っていらっしゃいます。お菓子がおいしくて、毎年楽しみにしています。子どもたちも好きなんですよ。幼稚園の頃はお菓子を食べるだけでお抹茶は飲めなかった子たちも、今ではおいしいと言って飲むようになりました。慣れなのか、味覚の変化なのか。自分も通ってきた道のはずですが、不思議なことですよね。

今回は思い切って御住職のお願いして、裏舞台も見せてもらいました。毎年2日のお昼近くにお参りしていますが、私たち家族以外にも必ず数名の方がいらっしゃいます。多分1日を通してお客さんを迎えていることでしょうし、1日はもっと大勢いらっしゃると想像すると、どれほど効率よくお茶を点てているのかと、気になっていました。

もっとも、お茶をいただくのは書院。お茶を点てているのは隣の茶所ですので、お客さんからは見えません。飲み物とお菓子の提供というイメージで取り組んでいらっしゃるであろうことは想像が付いていましたが、それでも大勢分を一度に作るのは大変です。その秘密をですね、堂々とのぞき見する感じです。

一番驚いたのは、電動ポット。注いだ量が表示されるんです。ですから使うお湯の量をこれぐらいかなーと見当をつけずとも、ポットの表示に従えば良いのです。お茶碗はいろんな形をしていますから、この辺りまで注げばちょうど良い、というのが覚えにくく、だからこそひしゃくを使うお点前になっているのですが、流れ作業の如く行うにはひしゃくですくえるようにお湯を準備するのが課題になります。それを違う方向から解決していると言うこと。感動しました。

そしてさらに、冬の時期ですからどうしてもお茶碗が冷たくなります。茶道では当然そこもカバーしているはずですが、略式のためにカバーできません。たぶん、電動ポットでちょうど良い飲み頃のお湯を出しているはず。冷たいお茶碗に注げば、当然お湯の温度は飲み頃よりも冷めてしまいます。

ここで登場するのが、食器乾燥機。乾燥機稼働状態にして、そこにお茶碗が入っています。なるほど、これなら常時暖まっている。お客さんへの気遣いですよね。これもまた感動しました。ただ、後から冷静に考えると、電気代がけっこう増えそうだな、と。エコでは無いですけれども、ここは仕方のないことだと思います。お客さんがいないのに暖めているのであれば無駄になるでしょうが、途切れること無くお客さんが来るのですから、無駄とは言えないでしょう。

感動の気持ちのままお寺を後にして、妻の実家へ。お昼ご飯をいただいて、みんなで団らんし、夕食は外食。9人という人数でしたのでお店探しがいつも難航するのですが、今回はネットで順番待ちを取れるお店がうまいことそこそこ空いていて、出発前に番号札をネット経由で取り、到着とほぼ同時に席へ案内してもらうという、見事なタイミングで晩ご飯を食べることが出来ました。いつもこんな調子なら良いのに。この食事の場も楽しいことがいくつも発生して、ほっぺたの筋肉がつりそうでした。束の間、お寺のお正月のことを忘れての、良い息抜きになりました。

さあ、三が日もあと一日。お檀家さんとの朝のお勤めもあと一日。今日も若干失敗がありました。明日こそは、完璧とは言えないまでも、納得の出来るお勤めをしたいです。緊張に弱すぎますね。