書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

11年前と比べる

宗務所に勤め始めたのが11年と半年ぐらい前になります。一期4年の任期ですので本来ならそこで交代になっていたはずなのですが、様々なご縁で今もまだ職員として関わることが出来ています。そんな11年前の仕事の仕方と現在とでは、だいぶ変化した部分が出ました。

一番大きく変わったのが、連絡手段。当時は、職員全員が携帯電話を持っている、という前提だけがありました。何かあったら電話連絡。基本ですね。ただ、それ以外の連絡手段が無かったのです。さすがに電報という時代では無いですし。それでもタイムラグが大きすぎる。たいていの人はメールは使っている、という時代ですから、私もそうなるように望んだものです。

4年間のうちのかなり早い時期に、携帯電話のメールで連絡は取れるようになりました。所長さんにメールを出す機会は終ぞ無かったですが、主事と書記は、メールでやりとりがそこそこあったように思います。この辺は得手不得手、向き不向きがありますので、会社とは違って強制されるような間柄でも無く、やんわりと、ただ、そういう私が望んでいる方向へは進んでいました。

次の4年間は、自分が庶務主事になったのを良いことに、やや強引に自分の望む方向へと移していきます。全員がスマホを使うようにしました。個人でスマホを持っていない職員には、宗務所で契約したものを貸与です。それも個人負担5千円も取って。それでも宗務所負担分が結構ありましたから、当時は高かったですねえ。

そのスマホを使って、最終的にはFacebookメッセンジャーを主な連絡手段として利用するようになりました。これは今でも続いています。なんだかんだ、必要十分な機能で便利なんですよ。もって便利なサービスがようやく日本語インターフェースを備えてくれたことで、ようやく対抗馬として検討できるようになりましたが、残り任期を考えると今から移行というのはデメリットしかありません。次の主事さんに情報はお伝えして、判断をお任せしようと思っています。

今の任期では、書類の電子化の仕上げの部分を行ってきました。郵便にしろ手渡しにしろ、書記さんの受付を通った書類はすべてScansnapで読み取られ、Evernoteに保存されています(個人情報を含む書類は別の扱い)。一日の受付書類のリストはFacebookメッセンジャーで回覧され、その書類はEvernoteで見ることが出来ます。このおかげで、特に私は宗務所へ出勤しなくても必要な書類はすぐに見ることが出来るようになりました。また、FAXもEvernoteに自動で回付されます。これも便利。FAX待ちが楽になりました。お寺界隈は、ようやくFAXが活用され始めたところなんです。

これぐらい出来上がると、自分がその場にいなくても、代わりに仕事をしてもらうのが頼みやすくなります。みんなそれなりに事態を把握していますから、今日行けないからお願い、というだけで済むんです。今日も実際に、月曜に依頼してあったリサイクルコンテナや機密文書を入れる段ボールの代引き受け取りなどを、出勤している職員にスッとお願いできました。話が早いんです。

代引きなんて、そうした情報が無ければ怪しくて受け取れませんからね。電話をして1から説明しなくても理解してもらえる。これだけでも大助かりです。また、Facebookメッセンジャーのグループ投稿でそうしたやりとりをしていると、今は所長さんも当たり前にスマホを使っていますから、そうしたことも把握してくれています。トップが全部を知っている必要は無いと考えますが、なかなか出勤する時間のとれない忙しい所長さんにも、こうした形で情報が届いているというのは良いことだと思います。必要なときにはリアクションしていただけますし。縦社会のお寺の世界では、所長さんが理解を示してくれているだけでもありがたいことなんですけどね。

そんなわけで、電話をかけたり長々説明をしなくとも、手元のスマホから短いお願いのメッセージを打つだけですべてを了解してもらえたことを受けて、こんなにも長々と日記を書いてみました。うれしかったんです。