書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

開始以来、初めて出来無かった

毎年、年度末のこの時期に、保育園の依頼で坐禅指導を行っています。卒園と入学を控えた年長さんに、いつもと違う環境で、いつもと違う厳しい時間を味わうことで、小学生になることへの心構えの形成に良い影響があることを期待されての依頼です。あの厳しい坐禅に耐えられたのだから、小学校へ行っても大丈夫だよ、と。大幅に言葉をはしょればこんな感じですね。

こちらとしては、坐禅体験を通してお寺や和尚に縁を持ってもらうことで、成長してからもお寺と良い関係を築いてもらえればという思いもあります。まあそれぞれいろいろ、思惑はあるわけです。

しかし近年は、厳しさを感じてもらうという点においてはやや迫力に欠けているのか、いまいちな手応えでした。坐禅体験という点ではそこそこ良い感じではあるのですが、それだけでは保育園の要望をかなえているとは言えないわけで、少しなんかこう、ぐっとくる物を感じてもらえる何かいいやり方はないものかと思案してもいたのですが、今年は葬儀と重なってしまい師匠にお任せすることに。

10年以上続いていると記憶しているこの坐禅体験で、初めてのことです。今までは運がよかった、とも言えますけれど。

今年の子たちの取り組み具合はどうだったのかな。年々体の硬い子が増えてきていたけれど、みんながんばれたかな。葬儀で疲れ果ててしまい、師匠から聞き取りをするのを忘れていました。来年に向けて、このあたりのことはしっかり聞き取りをしておきませんとね。

ちなみに。いったん坐り始めてしまえば、5歳児でも15分ぐらいは坐っていられます。集中力の持たない子も当然いますが、それでもがんばって坐り続けようとしてくれます。20分持つかというと、痛みをこらえている子も出始めますので、つい終わりの鐘を鳴らしてしまいますけれど、もちろんまだまだ続けられそうな子もいるんですよ。

この日記を読んでいる皆さんはどうでしょうか。15分って、坐禅をしてみるとかなり長く感じますよ。足に負担のかからない椅子坐禅というのもありますが、じっとしている15分は、長いです。未経験の方はタイマーかけて挑戦してみてください。忙しい方にとっては15分も惜しいでしょうが、これはなかなか有意義な15分の使い方の一つです。