書き続ける!住職のぼけ日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

オレオレ詐欺がやってきた

我が家にいわゆるオレオレ詐欺がやってきました。昨夜9時過ぎに第一報。電話に出たのは母。次男の名を騙り、

  • ここしばらく体調が悪く、熱が下がらない(39度、40度)
  • 倒れた際に携帯が水没、今は携帯ショップの貸出機 ここで電話番号が伝えられる(なのに着信自体は番号非通知)
  • 今は薬局にいる
  • 妻とは最近うまくいっておらず、話し合いを進めているところだから連絡はできない(この件は他に誰にも言っていないから、口外しないでくれ)
  • 明日の10時ごろに病院の検査結果が出る。うちに誰かいる?

という内容だったようです。母からの聞き取りなので、不正確なところもあるでしょうが、だいたいこんな感じ。

この時点では母がだいぶ心配そうだったので、私からも先の電話番号に発信。すぐに出るものの、

  • 今病院だから、病院だから、ガチャっ

と切られました。私が喋ったのは、「大変らしいじゃん」と、病院だからの声にかぶせるように母がやたら心配している旨を話している最中に、電話が切れました。

ここですぐに再度着信。また母が電話を取ります。心配に応えた折り返しと思ったので、母が取るのが自然でした。そこで語られたのは、

  • 今は病院にいる。
  • 点滴をしてもらっている。
  • 病院に泊まる。

ということでした。病院にいられるのであれば大丈夫だろうということで、昨夜のところはここでひとまず話がおしまいになります。

この時点で私が気になったのは、奥さんとうまくいっていないという件。とてもそんな節はなかった。もう一点は、私からの電話はすぐに切られてしまったこと。そんなに仲が悪かったかなぁと。冷静になって考えてみれば、病院にいて、出られない状態で電話をとる人では無いのです。電話に出たならば、しっかり話が終わるまで、切る人でも無いのです。

電話の向こうの声は、喉を痛めた兄の声に聞こえました。兄からの電話があったと思い込んでいたので、それか大きく作用したようです。ですので、この時点では気になる点はあったものの、お金の話も出ていなかったこともあり、疑いは抱いていませんでした。

そして今日です。私は宗務所に出勤。兄から連絡があったら内容を知らせてと母に言い残して、出かけました。師匠も今日はお寺にいる日だったので、心配はしていませんでした。

約束の10時少し前に、宗務所にいる私のところに、母から電話がきました。

  • 検査結果は、ウィルス的なものでの熱だから、問題なし。
  • 退院して、今は東京に向かう新幹線の中。
  • 株で失敗して、500万円を払わなくてはならない。
  • 支払先が東京なので、東京のサラ金でお金を借りて払う。

母からの電話で聞き取ったのは、以上。その場にいた妻によれば、この時点でお金を用意してくれるように頼まれていた、とも言っていました。

ここでだいぶ疑問点が増えました。ですので、奥さんへ連絡をつけることと、兄の職場に事情を確認するように伝えました。

電話を切った後、兄の携帯電話に向けて発信。水没して修理中のはずの携帯電話です。呼び出し音が鳴りました。2度かけて、2度とも鳴りました。出てはくれませんでしたが、仕事中は出れない職場なのでそれ自体は問題ありません。呼び出し音がなること自体が問題でした。

修理に出した電話の呼び出し音が、なるわけがない。

すぐに母の携帯に電話。電話に出たのは師匠でした。母は固定回線から兄の会社に向けて連絡を取っているところでした。師匠と話したのは、

  • 修理中の電話がなるわけがない(師匠も同じように電話をかけていたのですが、なること自体には疑問を感じず、出ないから使えなくなっていると認識してしまっていた)
  • 東京に向かうというのは、兄の行動として想像できない(そんな無駄な動きはしない)

また、師匠が言うには、

  • 奥さんには連絡がつかない(奥さんも仕事中は電話を取れない可能性がある)
  • 新幹線からの電話にしては、それらしい音が入り込まなかった
  • とにかく一度うちに寄れと言っても、言うこと聞かない

と言うわけで、この時点で私と師匠は、かなり黒に近いものとして認識を強めました。

そのやりとりをしている向こうで、母が職場に連絡をつけ、普通に仕事をしていることを確認。その後、本人も電話口に出て、無事を確認できました。携帯への着信については、

「あー、あるねー」

そうだよね。出れないもんね。

その後すぐにオレオレ詐欺犯人から電話がありましたが、適当にあしらったら電話が切れたそうです。私からは警察に通報するように師匠にお願いして、宗務所の仕事に戻りました。

もうねぇ、だいぶ無駄に色々削られた気がします。とりあえず、奥さんとうまくいってないと言うのが事実でなくてよかった…それが何よりです。

思い返すと、

  • 最初の電話の後、すぐに奥さんに電話をしていたら
  • そもそも兄の携帯電話に電話をかけていたら
  • 病院に一晩いたのに、午前中に新幹線に乗っていられるって、病院事務的にありえないでしょ
  • そもそも株で500万の損とか、ありえない。投資するにしてもあるお金でしかやらない人
  • 家のローンを抱えてるんだから、ある意味500万の借金ぐらい軽い

などなど、疑問点はいっぱいです。考えようによっては、犯人側はあえて不合理な点を混ぜることで、どこまで信じ込んでいるかの確認をしているとも受け取れます。

こんなに怪しい点がたくさんあるのに、はっきり言って、一人で対応していたら多分お金振り込んでてもおかしくなかったです。

今回我が家が被害にあわなかったのは、

  • 口外しないでと言った電話の内容を、受話器を置いて1分経たずに私に話してくれた母
  • 宗務所に出かける際に、兄から電話があったら連絡するようにわざわざ言って出かけた私
  • ここしばらくずっと忙しく走り回っていたのに、今日に限ってはその時間帯に師匠がうちにいることができたこと
  • いいタイミングで用事を終えて、非通知の着信が来るあいだ中、少し老いてきた母のサポートをしてくれた妻の存在

これらが全てあったからこそ無事でいられたと思います。

犯人からしたら、家族総出で疑問点の調査をしてたのかよ、と言うことでして。見事な連携でございました。

もしかしたら、師匠と母、母と私、と言うような、組み合わせはともかく二人しかいなかったとしたら、まだ騙されていた可能性があります。それぐらい、相手はうまい。

こうした詐欺の報道を見るたびに、相手のやり口が高度になってきているとはいえ、なんで払っちゃうんだろう、といつも疑問に思っていましたが、まさか二日がかりで攻めて来ると言うのは考えてもいませんでした。しかも前日はお金に関して一言も触れられてないですからね。いつもの携帯は繋がらない、奥さんには連絡できないと言うことを、ここでしっかりと植え付ける意図でしょう。

そして最後に、詐欺に合わなかった一番の理由を書いておきましょうか。

500万円。そんなスパッと、我が家には払えないよ。金額設定を間違えたね。

皆さんも、どうかくれぐれもお気をつけください。家族が急に困った事態に陥っていると電話があったら、どんなに他の人に知らせないように懇願されたとしても、必ず誰かに知らせましょう。出来れば二人以上に。