書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

入出火葬場

本日葬儀。また一人、お檀家さんがこの世から離れていかれました。ここはお釈迦様の言うところの、苦しみだらけの現世です。教えの通り、それらから解放された心安らかな時間を過ごされていることをお祈りいたします。

今日の葬儀で、久しぶりに入出の火葬場を利用しました。最近は新居の火葬場ばかりでしたから、久しぶりです。

相変わらず入出の火葬場では、落ち着いてお別れができます。新居も当初ほどの事務的な感じはしませんが、未だに何となく急かされるような気がします。湖西との合併前はそんなことなかったようなんですけどね。

入出の火葬場では、荼毘に伏すお勤めの後、お念仏をお唱えします。曹洞宗の教義にはありませんが、もはや民間信仰レベルに根付いていますので、入出住民にとっては無しでは通れません。

これが新居の火葬場ですと、今もって実行できません。湖西市新居町との合併を機に、湖西市民の利用が急増し、その頃から正太寺のお檀家さんもちらほらと利用者が出るようになったのですが、その当初は荼毘に際して炉前で読むお経ですら、ゆっくりとはお勤めできませんでした。

棺と炉の間の狭いスペースに、係員が立っているんです。今か今かと待ち構えているようで、落ち着きません。葬儀屋さんを通して立つ場所を変えるようにお願いして、今はそこまでではなくなりましたが。

お念仏については、最後に確認してから一年ぐらいが立つので、そろそろ再度聞いてみてもいい頃かもしれません。いい返事がもらえるといいのですが。

そんなわけで、私の中では、お別れするなら入出の火葬場が好印象です。火葬場の係員も、湿っぽくないほうがいいんですよ。明るいぐらいがちょうどいいんです。

何をそんなに明るく振る舞ってるんだ、こっちは身内を亡くしてるのに、と苦情が出るくらいでちょうどいいんです。それで気を保てる人だっているんですから。

他所はどうでしょうか。浜松市を見ていると、炉に入る前にお経が読めるだけマシとも思えてしまいますが、地域それぞれ事情があることでしょう。くれぐれも、流れ作業にしてしまわれないように、行政にも、民間の火葬場にも、お願いを申し上げます。