正太寺の四十九日法要は、原則夜です。お逮夜というんですけど、当日に備えて、夜お勤めをするんです。お逮夜といった場合は当日もお勤めをさらにするんですけれど、四十九日の場合は朝は何もなし。場合によって納骨を行うぐらいです。
正太寺のお檀家さんの多くは、葬儀の翌日に納骨します。これをお話しするとみなさん一様に驚かれるので、かなり珍しいことなのでしょうね。
今夜四十九日を迎えられたお宅は、なぜだかわからないんですけれど、非常に親しみやすいおたくで、おときに伺っても話し込んで長居することの多いお宅でした。
そのお宅で、私と最も長くおしゃべりをしてもらった奥様が急逝され、枕経、通夜、葬儀とお勤めしても、まだ信じられないような気持ちでいました。
しかし今夜は四十九日。私も覚悟して、仏様として向き合わなくてはなりませんでした。ちゃんと出来たと思います。
その後、振る舞いの食事があります。仕出し料理を食べながら、仏様の思い出話をしたり、家族の話をしたり。私もその話に加えていただいて。
同じ入出の住民ですから子どもたちの話も通じます。急逝とはいっても、ご家族にとっては病の発覚から数ヶ月の猶予があったからか、落ち着きは感じられました。賑やかにおしゃべりをし、つい長居をしてしまいました。
誰が引き止めるわけでもないんです。みんなして、ついつい長居をしてしまうんです。
これもおそらく亡くなられた奥様のおかげ。そんな家庭を築かれ、今は仏様となられた奥様に、感謝の合掌礼拝をして、お寺に戻ったのでした。