書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

弘法様の山開き

正太寺で開かれる二つのお祭りのうちの一つ、弘法様の山開きでした。

婦人部の皆さんが集合しつつあるのを横目に、私は車に乗り込み、消防団詰所へ。新入団員のうちの一人と落ち合い、一足先に入退団式の会場へ向かいます。

今年度新入団員32名を代表して、第七分団の新入団員であるその彼が、宣誓をするのです。9時過ぎから全体のリハーサルがあるのですが、それに先立ち、個人リハーサルをしてもらうために、本部員と消防団担当の消防署員しかいない会場へ足を踏み入れました。

私は気楽なものです。見ているだけ。指導を受けてリハーサルを繰り返す彼を見ながら、よく理解できていなさそうなポイントだけ、アドバイスをします。

リハーサル自体は10分ほどで終わり、その他の準備へと本部の皆さんは向かい、私と新入団員は放置状態となりました。やることないんです。

15分ほどやることもなくウロウロしていると、ようやく一般団員の到着が始まりました。そのうちに第七分団の面々も到着し、彼はバッチリと冷やかされました。いい雰囲気です。

全体リハーサルも無事に終え、いよいよ本番。

そのリハーサルの時に気付いたのですが、宣誓の時間が近づくにつれ、私も緊張していたんです。

本番もまた然り。自分がやるわけでもないのに、やたら緊張しました。力が入ります。自分の預かる分団の団員ですから、他人事ではないんですよね、やはり、見事にやってくれるか、見事に記憶に残るようにやってくれるか、せめてどちらかになってくれと祈りながら、彼の背中を見ていました。

出来は上々。本部から渡された宣誓分を見ながら、喋ったこともないような単語がたくさん使われていると嘆いていたのに、本番では難なく読んでいました。よかった。

入退団式を終え、詰所に戻り、水利の点検を指示し、それが終わると一旦解散です。食事に行きたい団員を連れて昼食に出かけるのが通例なのですが、私は今年もパス。部長に任せて急ぎお寺に戻って、お祭りに加わりました。

その後はいつも通り。お世話人さんと婦人部の皆さんに一通り挨拶してから、ご祈祷の読み込み帳を作りあげ、今年は少し遅めの14時からご祈祷をして、無事におひらきとなりました。

例年よりもお客さんの列が途絶えるタイミングが遅く、ご祈祷に移れなかったんです。こんな年もあるんですね。うれしい悲鳴です。たくさんおいでいただいたようです。

休む間もない一日が過ぎて行きました。へとへとですが、充実感はあります。来年からは、お祭りに集中できます。事前の準備にも余裕ができるので、新しいこともそこそこと始められるかもしれません。楽しみです。