書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

宗務所に行けない間も、宗務所のことを考えている。主にマイナンバーのことばかり。

葬儀のため一日缶詰め。新居の火葬場ですと、お寺まで戻る移動時間がもったいなくて、控え室で過ごすようにしています。iPad Proを持ち込んで。これで文章はそこそこ快適に打てますから、結構いろんな仕事ができるんです。

そんな時間を過ごしながら、宗務所のこと、いや、マイナンバーのことが頭から離れません。どうしてくれましょうか。

マイナンバーが導入されるからといって、実務が難しくなるわけじゃないんです。記入すべきところへ記入し、記入しなくていいところへは記入しない。ただそれだけ。余分に記入すると目的外利用となり、法律違反になってしまうので細心の注意を払う必要がありますが、とはいえ、お寺と宗務所で扱う範囲では、間違えそうなところはありません。

問題は、マイナンバーの管理です。預かったマイナンバーをどう管理するか。インターネット黎明期からどっぷり浸かってきた人間から言わせれば、どんなに注意を払っても完璧なセキュリティなんて存在せず、漏れる時は漏れるんです。

よほど専門に勉強すればそのリスクはどんどん小さくはなりますが、マイナンバーを扱うのは普通の人々です。政府が期待するほど安全に管理するなんて、どだい無理な話です。

そうなると、一番いいのは他人任せにすること。すなわち、クラウド保存サービスの利用です。宗務庁での研修で紹介されたシステムは、暗号化されたUSBメモリに、マイナンバーを扱うソフトとデータが格納されていて、万一紛失したりしても安全、という触れ込みでした。でもワタクシ、重要データをUSBメモリに預けるほどUSBメモリの耐久性に信頼を置いていません。紛失より先に、壊れるんじゃないかと。

それに備えてバックアップが必要になりますし、そのバックアップの保管も厳重にしなくてはなりません。鍵がかかれば手提げ金庫でもいいみたいですが、そもそも手提げ金庫って、安全?

対策を取っていれば、流出してしまっても法令上はそこまで罪に問われることもなさそうですが、とはいえ、それって、どうかと思います。

クラウド保存サービスを使えば、そのあたりの心配は無くなります。全部お任せです。そうしたサービスを使えば複数箇所のデータセンターに分散して保管してもらえると思いますが、それらが同時多発的に障害を起こしてデータが消える可能性はゼロにはできないにしても、手元で管理するよりは安全ですよ。はるかに。

ただ、源泉徴収票や講師謝礼の支払調書などに転記する際に、手元に持ってこなくてはなりません。手書きマイナンバーの欄だけ埋めるようにするのが一番リスクは低そうです。控えを取っておくにしても、それらにマイナンバーを記入する必要はないですから、通常書類の管理と同様でよくなります。

宗務所は全員でも9人。源泉徴収票を作るのは年に一度。現状ではほぼ同様の内容で4枚作らなくてはならないけど、それらを全部手書きしたとしても36回書けばいいわけで、手書きが一番楽なのかもと思い始めています。

そこまでクラウドで行うとなると、クラウド給与ソフトが必要になり、これが結構お高いんですよ。謝礼などの支払調書はクラウド会計ソフトを契約しないと出力できなかったりするので、両方で大体6万〜7万円ぐらい。

宗務所の会計ですとソフトウェアの類は消耗品費で支出するのですが、予算は10万円ほどしかないんですよ。それも毎年ぎりぎりの運用ですので、とてもとても。とりあえず来年度はもう少し余裕のある備品費から支出して、再来年度会計で消耗品費の増額と、備品費の減額で帳尻合わせようとか、そんな大げさな話になってきます。

そもそも宗務所は赤字になるかならないかぎりぎりのところで運営されていますから、定額支出は増やしたくないんです。厳しい。

しかし手元で管理するのは運用コストが高すぎます。費用的には安く抑えられても、リスクを引き受けなくてはなりませんし、手間も増えます。

庶務主事のなり手がさらに減ってしまいます…

クラウド給与ソフトが高すぎるんですよ。宗務所なんて乙欄ですから、複雑な機能はなーんにも要らないんです。そういう事業所向けに、機能を絞って価格を下げたプランが欲しいです。要望出してみようかなぁ。

このままだと、読んでいても何にも解決にならない日記が日々増殖してしまいます…