書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

東京での葬儀。

たった一人で臨む、遠方での葬儀。ま、東京での葬儀は和尚が一人というのが当たり前と聞きますが。私にとっては新鮮な体験です。

一人だとある意味自由もあります。利点に変えるべく、地元ではなかなかできないことに挑戦してみました。

葬儀中に、今から何をするのか、儀式の説明をごくごく短く挟みました。ホンの一文です。

剃髪をすること。お坊さんになるために、授戒をすること。入棺から棺を閉じて担ぎ、埋葬地への移動まで一気に。そしてたいまつをくべて、引導を渡す。

これは、いままでもやろうとして、なかなか実施できてないことでした。あまり冗長な説明では時間を無為に要してしまいます。お役僧がいるのに導師自らあまり喋らない方がいいかなと思ってみたり。

今回は自分一人しかいないから、かえって思い切ってできました。喪主さんたちにとっては、正太寺の葬儀の仕方というのは見る機会がありませんから、違いを聞いてみるわけには行きませんでしたが、感触としては、悪いものではなかったと思います。本当に短い一文なので、余分に時間がかかった感じもありませんし。

入出でやろうと思うと、やはり導師がしゃべるというのもちぐはぐなので、維那和尚さんにお願いしなくてはなりません。てことは、文字起こしが必要です。でも、相談してみて、やってくれそうならやっていきたいです。

葬儀の中身も分かりやすくするように、現代語に近い形に変えようとは思っていますが、それに先んじて実施できることだと思います。手軽ですからね。

葬儀も無事に終わり、火葬場へ。綺麗な斎場でした。問題があるとすれば、私が絡子を忘れた件。普段なら改良服で行くところを、法要用の法衣をもとったまま、お袈裟を持って移動となりました。絡子さえあれば身軽に動けたのに。

それでも、無事に収骨までお勤めすることができました。あとは、精進落とし。

近くに座った方に故人のことを聞かせていただいたり、正太寺の話をさせていただいたりと、葬儀の日とはいえ、楽しく過ごさせていただきました。喪主さんをはじめ、参列の方々も皆さん、いい人ばかり!

東京ということで、知らず識らずのうちにかなり身構えていたんだなと、自分のことに気がつきました。みんないい人ばかりで、私はとても助けられました。

15時過ぎに帰路につき、お寺に戻ったのは19時半頃でした。帰りはひかり号に乗れたので、行きよりは短く感じましたね。でも、スーツケースが荷物パンパンでとても重くて、手に豆が出来かけました。なんとか膨らまずに堪えてくれていますので、ちょっと赤くなった程度で治ってくれそうですけれど。

明日は朝から法事がありますが、それが終わると時間が空きます。ちょっと休憩したいですねー