書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

考えようによってはもったいないことだと今更気がついた

お盆。日本の風景。心のふるさと。大事な行事。

その時期は主に8月上旬から中旬にかけて。この期間、日本中の多くのお寺が忙殺されます。お檀家さん宅をお経を読んで回ります。一件一件心を込めて、真剣に、妥協無く。どんなにしんどくしても手を抜かない。それだけは譲れないところ、というのは多くの僧侶が思いを同じにしている点だと思っています。

とはいえ、よくよく考えると、この時期って1年の中でもとても希有な時期なんですよね。

子どもたちは夏休み。宿題に追われるでも無い時期。とくに8月上旬は会社もお盆連休に入っていないため、子どもたちの予定が空いている時期なんです。中旬に入ると両親の帰省や旅行が入ってきて忙しくなるでしょう。下旬は宿題に追われます。しかも最近、二学期の始まりが早い。私の時代は9月に入ってから始業式だったのに、今は27日とかですからね。

7月下旬は、頭のうちはまだ夏休みに入っていません。今年は24日から。回しの出来る子なら、ここから数日は宿題を一気に片付ける期間です。他の予定は入れづらい。

というわけで、全国で僧侶が走り回っている8月上旬、こここそが、子どもたちを巻き込んで行事をやる、最高のタイミングです。もちろん、他の業界と取り合いになるのでしょうけれど。

一泊二日、二泊三日、それぐらいのお寺体験イベントも組みやすいです。大きな声では言えませんが、夏休みに入って少し経つので、親にとってもこの時期にどこかで預かってくれるならちょっと息抜きが出来るとか、思わないこともない時期になりますし。

お盆が大切な行持であることは疑う余地はありません。日本のお盆は、お施餓鬼会と盂蘭盆会が同時にやってくるという素晴らしい結実を見せています。

でも、子どもたちに仏教に触れてもらう貴重なタイミングでもあるんですよね。

多分、今までにも同じことを考えた僧侶は大勢居るはずです。行動に移した方もきっと何人もいらっしゃるはず。事例を知りたいです。うまくいったのか、いかなかったのか。原因を取り除けばうまくいく余地があるのか、この時期を使うのは適切ではないのか。

なるべく大勢子どもたちに参加してもらおうと思ったら、1ヶ寺の力だけでは出来ません。宗務所や教区が旗を振って、何ヶ寺かが力を合わせて行事を開催する必要があります。そうすると、その地区のお盆行事は吹っ飛んでしまいます。山門施餓鬼会はやれるでしょうが、お檀家さん回りは到底無理です。

そんなことをして歓迎されるかどうか。事例が欲しいです。きっと有るはずだと思うのですが。浜松市みたいに7月のお盆なら、だいぶハードルが低くなるんですけれど、8月お盆の地域でこういう事例はないものか。しばらくアンテナをピンと張ってみます。