書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

防災寺子屋、正太寺を会場に開催されました

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何度かお知らせしました防災寺子屋、本日開催されました。宗務所主催にて、災害の際にお寺を中心に何が出来るかを意識するための勉強会です。

講座を少しはありますが、メインはワークショップ。

最初に湖西市の危機管理監 藤田和久さんから、入出に関する過去の大きな地震のお話しと、最新の被害想定を基にしたお話しをしていただきました。

その後、宗務所も多少バックアップして、東北大震災の被災直後から現地入りし、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)のスタッフとして支援活動を2年間、自主的にさらにもう1年間現地で活動をしてきた浜松市南区江之島町の大昌寺副住職 青島寿宗師より体験報告をしてもらいました。

宗務所で主催している防災寺子屋は、彼の企画です。3年間の支援活動で培った経験と情報を、地元で活かしたいという熱意に動かされて、宗務所もバックアップをしています。

ここから先がいよいよ本題のワークショップ。

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参加者40名弱が4つの班に分かれます。今日大地震に見舞われ、正太寺が自主避難地となり、大勢の避難者が集まってきたという想定の下、避難者の中から避難所の運営のために数名が選ばれて、事務局班、食料・資材班、保健班、情報・広報班に分かれて、次々と起こる諸問題に対応していく過程を体験しました。

避難者からの声として、A5サイズに要望の書かれた紙がなかなか速いペースで各班に投下されていきます。最初は班の仕事内容に合わせた要望だった物が、次第に全然お門違いの要望も混ざるように。班の連携なども体験できるように、ですね。

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企画者曰く、一番体験してもらいたかったのは、とても大変だ、言うことでした。

東北の時にも、お寺が何カ所も自主避難所となりました。住職が一切を取り仕切ったところもあれば、避難者が協力して運営にあたったところもありました。それはお寺それぞれで違ってきて当たり前で、どちらが良いかは住職の得意分野も関わってきます。

どんな組織も運営は大変であるように、避難所の運営もそれに当てはまる。それに備えが出来るのであれば、しておいた方が良いよね、ということもあるようです。

正太寺の本堂が揺れに耐えられるかは分かりませんが、地盤は良さそうです。過去の大地震でも崩れていませんから。広場として避難者が集まることも十分想定できます。

行政としては、公的な避難所として認定してしまうと、防災訓練でも毎回負担が出てしまうから、あらかじめ避難所となる想定に含めておくこと、資金面の負担がなるべく抑えられるように、支援出来る体制を整えていくことを考えているとお話しがありました。

現実的な対応ですよね。有り難いお話しでした。願わくば、そうした考えのあることが、もっと市民に容易に伝わるといいなぁ。

いろいろと勉強になることの多い1日でした。開始時間直前には御嶽山の噴火もありました。大勢の登山者がいたようで、安否が気遣われます。みなさん、無事でありますように…

浜名湖の堆積物を調べると、火山灰が含まれているそうです。津波で運ばれた物もあるでしょうし、降り注いだ物もあるでしょう。噴火も人ごとではありません。万一の際に役に立てるように、お寺もいろんな想定をしておかねばなりませんね。