書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

研修会 2日目

研修会2日目。今日のお昼で終了でした。考えてみると、宗務所最終年度の人権啓発研修会、つまりこの機会は今期宗務所では最後なのですよね。これもまた、一つ一つ終わっていく行事の1つでした。そう思うと、寂しい思いが強くなります。

8時半から研修会が再開です。岐阜県中央子ども相談センターの所長さんに講演をしていただきました。配付された資料を基に、児童虐待の現状と、その対応について1時間と言う短い時間でしたが、丁寧にお話をしていただきました。

私も子育てをしていて感じていたのですが、行政が子どもの所在を認識できる機会というのは、実は多くないのですよね。湖西市では、出生届から、その後の保健師さんの訪問、一歳児検診(一歳半だったかも)、三歳児検診。ここから先はいきなり小学校入学まで飛んでしまいます。

検診だって受けなくても罰則があるわけじゃありませんし、生後2ヶ月の保健師さんの訪問も、都合が合わないを繰り返せば流れていきそうです。

もしその間に子どもがいなくなっていたとしても、小学校の入学までいかないと、判明しません。

そんな具合ですから、全国に所在不明児というのが700人超もいるそうです。今、厚労省では、小中学生に限定して調査していたものを、18歳にまで広げた調査をすすめているんだそうですが、そうすると当然人数は増えてくると思います。

この日本においても、人1人の存在確認なんて、この程度でしか無いのですよね。もしかしたら、昨日まで隣にいた子どもが急にいなくなっても、ほとんど騒ぎにならずに済んでしまうのかも知れません。なんとなくそれが想像できてしまう今の社会です。

分散会ではそうしたところもピックアップされて話し合いとなりました。45分しか時間が取れなかったために突っ込んだ議論は出来ませんでしたが、各人思い思いの問題提起が為されたため、持ち帰る宿題は多くなりました。

私の班には福祉事務所への勤務経験のある方もいて、その時の現場のお話しが大変衝撃的でした。

山野籠もって修行をするイメージのある曹洞宗。実際にその通りではあるのですが、お寺から出て、保護司や民生委員など、なんらかの社会貢献活動をされている方は非常に多いです。とはいえ、まだまだ、もっともっと、社会への貢献が必要とされています。いろんな制約はあるものの、会社にお勤めの方よりは身の自由が効く立場だと思います。

その立場を活かして、せめて目の前の事象に全力で対処する覚悟を持ち、それをキャッチするアンテナを常に張り巡らせていようと、思いを強くした研修会でした。

昼食はホテルの方に教えていただいたお蕎麦屋さんにて。十割そば、衣少なめの天ぷらと、大変おいしいお店でした。お値段は、湖西市平均価格にプラス300円ぐらいとちょっとお高かったですけれどね。

帰りも私が運転手。何度も書記さんに代わってもらおうという思いが頭をよぎったのですが、しかし任に当たって他に譲り難し。がんばりました。

宗務所には15時前に無事帰着。皆さんお疲れ様でした。そして主菅宗務所である岐阜県宗務所の皆さん、大変お世話になりました。有意義な研修会、ありがとうございました。無駄にせぬよう、精進を重ねて参ります。