書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

おせんぼう

毎彼岸恒例の、観音懺法、通称おせんぼうの日です。彼岸の中日に、湖西市北部6ヶ寺で構成された組寺にて、回り番で会場を担当し、観音懺法を勤めます。

懺法講という講が存在していまして、掛け軸を持っています。組寺のお檀家さんご先祖様のお戒名が、その掛け軸にずらずらっと書き込まれているのです。

始まったのは大正時代と聞いています。掛け軸は6本目、だったかな?

6ヶ寺で回り番、1年に2回お彼岸はありますから、都合3年に一度、会場当番が回ってきます。その3年間の新亡霊位を掛け軸に書き込み、供養するのが観音懺法を勤める主な目的です。

観音懺法の目玉は、なんと言ってもお拝の多いこと。懺悔の懺の字が入っていることから推測できるとおり、ひたすら謝る法要なのです。人は生きているだけで罪を犯します。何にも悪いことをしていなくたって、生きるために口にした食べ物は、何かしらの命を奪っています。一が生きるためには、罪からは逃れられないのです。

そうした人々の罪一切合切を、本尊様に観音様を拝請し、我々和尚が代表してお詫びして回る、そんなイメージで捉えていただければ分かりやすいでしょう。

そうした行いは、分かりやすく言えば徳の高い行いとなりますので、その功徳でもって掛け軸に書き込まれたご先祖様をご供養する、と。平たく言えばこういう解釈でしょう。

ですので、お拝が多いんです。ひたすらお拝するんです。20代の頃は気にならなかったのですが、最近では、後から膝に変な痛みが出たりするんです。直接的には影響の出ていないふりをして、内側に何かしら痛みを残すんです。

見た目は地味ですが、体を張った法要なのですよ。

今年も無事に勤め終わりました。無事に。何よりです。本当に。夜になって、やはり膝が変に痛いです・・・