書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

檀信徒研修会3日目。熊本・水俣。


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今日も8時出発。まずは熊本城へ。今行程最後の観光です。10時までたっぷり時間を取って、自由散策です。写真は、熊本城のお出迎え隊が天守閣に最も近い、観光地としてはメインの門と思われる頬当御門の前の横断歩道で、車が切れるのを待っている様子。何ともシュール。

このお出迎え隊。良いんです。それっぽい、時代を感じさせる言葉遣いが徹底していて、アドリブもOK。適当に話した会話に突っ込みを入れて来るなど、積極的です。このお出迎え隊が健在である限り、熊本観光に熊本城は外せないエリアとなるでしょう。楽しすぎ。リピートしたい。


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お出迎え隊による、開門セレモニー。


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こちらは復元の大天守閣と小天守閣。


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そして現存の宇土櫓。大天守閣を一の天守、小天守閣を二の天守、こちらの宇土櫓は三の天守とも呼ばれるそうです。
復元のお城では得られない、タイムスリップ感が得られます。

いよいよ最後の研修に向かいます。水俣市水俣病資料館へ移動し(グランツール九州2013の影響と思われる大渋滞に遭遇して、研修開始時間の調整でご迷惑をおかけしました)、つい先日両陛下にもお話しをされた語り部、緒方正美さんのお話を聞きました。病気もさることながら、当時の国や県・市の行政の対応も相まって、ご苦労されたお話しをされるのですが、その原因を、自分が水俣病であることを長年隠していたからだという所に求める精神の清さに感銘しました。


公害は、いつ再び起こるか分かりません。原発事故だって、公害ですよ。人間の知能では完全には防げないことなのかも知れません。であるならば、その後のリカバリーを迅速に、被害を最小限に抑えることを最優先に、・・・つまり、当たり前の対応が出来る文明に成長しなくてはなりませんね。


これは誰かがやってくれる訳ではありません。1人1人心がけから実現されていくことです。私も心して生活したいと思います。


水俣病資料館を後にして、新水俣駅へ。ここで三日間お世話になった運転手さんとガイドさんに別れを告げて、九州新幹線東海道新幹線を乗り継いで浜松駅を目指しました。お尻の痛くなる移動でした。でも、飛行機のような不安が無く、トイレもいつでも行けるという安心感、嬉しいですね。新幹線もマイルがたまってただで乗れるようにならないかなぁ。


研修3日目、最後の最後に一番重みのあるお話を伺って、参加の皆さんはどんな心持ちで帰宅されたのでしょうか。それぞれの菩提寺の御住職を通して、感想を聞けたらと思います。なかなか聞けないんですけどね。次の年に続けて参加してくれると、前年の感想を歯に衣着せずに話してくれたりしますけれど。


研修内容は大変良かったと思います。主催者側の人間が言うのは控えるべきとは思いますが、いやでも、良かったんですよ。あとは、移動手段、宿泊場所、食事内容、そのあたりのこと。


今回の研修会、参加費は88,000円です。二泊三日。はっきり言って高いです。でも、自主企画旅行ではどうしてもこうなってしまいます。皆さんパック旅行の値段になれていますから、なんでそんなに高額になるのかと思われがちですが、どうしようもないのです。


行きたいところに行きたい時期に行こうと思ったら、こういう値段になるんです。これでも団体割引が効いていますから、個人的に行くよりははるかに安いんですよ。


でも、高いものは、高い。その価格に見合う内容であったか否か。改善のしようも無い意見は聞き流すだけですが、しかし、何かしら改善できる点は逃さずに見つけていきたいのです。そうやって魅力を高めていかないと、いくら宗務庁が年一回の開催を強制しても、とても継続できなくなってしまいます。


宗務所は全国的にいろんな意味での正念場を迎えていると思います。この檀信徒研修会も例外にあらず。時代のニーズに合わせ、その中で布教に繋がっていく内容を目指し続けなければならないのです。・・・しんどいなぁ。