書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

西光寺様晋山結制前夜

明日、久し振りに教区のお寺さんでお祝いがあります。白須賀の西光寺様において、晋山結制。本堂・庫裏・書院の落慶法要も執り行われます。


私は教区・法類寺院の副住職として随喜(お手伝い)します。今日は前夜と言うことで、入寺式と本則行茶という儀式が行われました。日記には書きませんでしたが昨日も準備のために西光寺様を訪れています。明日も含めると三日続けて通うことになるので、なんだかよそのお寺のような気がしません。


首座を勤めるのは、私達夫婦の仲人さんのご長男。こちらもまた他人事のようには思えません。ご長男に対する奥様の並々ならぬ愛情はよく伺っていますから、きっとご家族みんなで緊張してここ数日を過ごされているのでしょう。


当の本人は、一緒に準備をしながら、少しずつ溶け込んでいるようにも思えます。大学に通いながらのことであり、私もほぼ同じ年の頃にやってますから、溶け込んではいてもやはりどこか違う世界のことのように感じているとは思いますけれど。


来春には修行に上がる覚悟も決めているようですので、帰ってきたら一緒に仕事をする機会が出てくるはず。それも楽しみです。


話を戻して、入寺式とは、晋山結制の時には細かく言えば首座入寺式。結制修行を行うに辺り、首座を任命する儀式です。結制修行とは、修行僧が1カ所に集まって集中して修行すること。本来3ヶ月間、外に出ること無く修行するのですが、地方寺院の晋山結成においては二日間の日程に凝縮することがおおいです。


曹洞宗においては、両大本山及び各地にある地方僧堂において、古式に則った結制修行を年に2回行っています。


本来の入寺式は僧堂(坐禅堂)にて行われますが、僧堂の無いお寺が大半ですので、本堂を僧堂に見立てて行います。ですので、本堂を普段とは違う使い方をする、独特の雰囲気の儀式となります。


引き続いての本則行茶も、本堂を普段と違う向きで使用します。本則行茶とは、明日の法戦式でのお題についての講義と、結制修行中の配役を発表を行い、お茶をいただく儀式です。正確には本則・配役行茶というべきでしょうか。


お茶をいただくと言っても、作法に則っての修行です。おしゃべり厳禁。すべて修行の作法に則って、お湯のみとお菓子を受け取り、お茶を注いでいただき、合図と共にいただくのです。参列されたお世話人さん方にも一緒に加わって頂きましたが、なかなか緊張されたことと思います。


私の配役は殿行と言って、儀式全般において、裏方となるお役です。儀式の準備、儀式中の物の出し入れ、突発的な出来事への対処。いろんな事が仕事であり、それらを目立たぬように行うのがカッコ良い、とされます。


そのカッコ良さをめざして、今日も勤めましたし、明日も勤めたいと思います。明日は朝から昼過ぎまで連続で儀式が続きます。しんどい一日ですが、おめでたい雰囲気の中の儀式は、楽しいものです。


自分の仕事はきっちりこなして、その上で、楽しんできたいと思います。