書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

可漏に印刷する仕組み作り

曹洞宗の僧侶が香典やお祝いを届けるときに使う、可漏という、封筒のような物があります。これに、香典やお祝いを意味する言葉と、金額、自分の名前を書き入れて使います。


大きな法要があると、たくさんの僧侶が手伝いに来てくださいます。そうした方々に御礼をお渡しする際にも、可漏を用います。30枚、規模の多いお寺ではもっとたくさんの可漏を準備しなくてはなりません。


通常でしたら毛筆で書くのですが、数が多いと辛くなります。大きな法要の時には、可漏を準備するのもお手伝いの僧侶です。知庫寮という、お金を取扱部署に配役された僧侶が行います。


私、最近よくその配役をいただくのですよ。で、まあ、同じ配役の方と一緒にせっせと書くわけですが、細筆は大変苦手でして(太筆が得意なわけでは無いけれど)、どうがんばってもまともに書けません。


そういう時は、効率化の名の下に、パソコンを使いたくなるのです。


奉書紙をプリンターに通すのは、けっこうなリスクがあります。和紙全般に言えることですが、柔らかい和紙は毛羽も多く、それらがプリンターのローラーにくっついて、紙送りが出来なくなって修理工場行きとなってしまうのです。


どの程度の和紙なら大丈夫なのかは、たぶん、経験しないとなんとも・・・。ハガキでもローラーがいかれてしまうことがありますからね。


正太寺でよく使う可漏の紙質が、はたしてプリンターを破壊しない物であれば良いのですが、とりあえず、印刷するための準備をしなくてはなりません。


「可漏」と一口に言っても、奉書紙を自分で折って作る物から、折りたたまれた状態で販売されている物、さらにはその寸法も様々です。


どうせなら、寸法を入力すると、それに合わせて文字の位置合わせも全自動で済ませてくれるように作りたいな、と思っていまして。一日かけてFileMakerと取っ組み合いをしていました。


結局、FileMakerの機能ではどうにもうまく出来ませんで。私がまだ持てる機能を全て把握していないというのもありますが、ヘルプを見ても市販の参考書を見てもWebで検索しても、欲する方法が見つかりませんでした。


Accessなら思いついたことならほぼ何でも叶うのですが、こと印刷に関しては限界が低く、かろうじて縦書きの文字は印刷出来ますが、90度回転させた文字とかは、かなり複雑なことをしないと実現出来ません。


そこまでやる元気は無かったので、最終的にはFileMakerで済ますことにしまして、全自動も諦めて、文字配置のための位置合わせに使用するx座標y座標を算出する計算式を印刷用の画面に貼り付けて、可漏のサイズに合わせて手計算することにしました。


通常、一回の法要で使用する可漏は1種類ですので、これで事足りるはずです。寸法の違いも何センチも違わないので、文字サイズまでは調整する必要も無さそう。


FileMakerはデータベースソフトですので、お手伝いの方の名前、金額などの表を用意して、それらを流し込んで印刷することが出来ます。金額は漢数字、それも普段は使わない表現を使用しますが、それらも自動変換することが可能。これでかなりの手間を省けます。


私はデータベースソフトと言えばAccessばかり使ってきましたので、まだまだAccessで実現するための方法を考えてしまいがち。FileMakerに向いた考え方に適応できていないようです。


またなにかFileMakerを使ってデータベースを作ってみて、その時々で実現しやすいソフトを選択できるようになれればと思っています。


本当は、MacにはAccessがなく、FileMakerしか選択肢が無いので、FileMakerで全て済ましてしまいたいんですけどね。FileMakerもたぶん、思いついたことはたいていこなせるはずなんですよ。もっと精進したいです。