書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

人権啓発研修会2日目

今日のお昼で研修は終了です。大好きなホテル滞在もすぐにお終い。


朝食バイキングはまずまずの品揃え。ホテルに泊まるとたいてい主食にパンを選択します。お寺にいるとお米がほぼ100%なので、こういう機会にパン主食を体験してみるのが好きなのです。毎日パンだと飽きますけどね。


その点、毎日食べても飽きないお米って、すごいですよね。


部屋に戻って荷物をまとめたら、チェックアウト。ホテル内の会議室に集合して研修会の続きを行います。今日の研修で印象に残ったのは、曹洞宗同和問題に取り組むきっかけとなった町田宗務総長(当時)の差別発言当時に宗務庁に在籍し、同和問題担当となって、主には被差別戒名の改正に奔走した僧侶の講演でした。


今年70歳。逆算すると、その当時は40歳。実体験を基に現在までの経緯を語っていただいたのですが、今までテキストや資料から読み取ったものとはリアリティが段違いでした。


こういう話を伺うと、曹洞宗が宗門を挙げてせっかくここまでなんとか辿り着いた差別と対峙する姿勢を、まだまだ十分とは言えないと思うのですが、後戻りだけはすることがないように、これからの世代の僧侶がしっかりと受け継いでいかなくてはならないと、強く感じました。


過去を知ることは、未来への備えとなります。幸いにも正太寺の地元、入出においては、部落差別があったという話は聞きません。しかし、だからといって差別について勉強しておかなければ、今後また同じような差別が形を変えて登場してくることを防ぐことが出来ません。


人々が当たり前と思っていることが、実は差別に繋がっている。それは、よくあることです。当たり前になっている事ほど、修正するのは難しい。そうしたときに僧侶は率先して差別と対峙しなくてはなりません。


なのに、それが差別気づけなければ、対峙のしようも無いのです。ただ、飲み込まれていくだけです。


対抗策は、過去の差別について、知ること。事象を知り、仕組みを知る。それしかありません。


研修会ですから、退屈な話の時もあります。でもそんな時にも、ちゃんと学習に取り組む姿勢を、持てるようにがんばります。今はね、日頃の睡眠不足がたたって気がつくと時間が過ぎていることも、たまにはありますよ。