書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お墓参りのために、ドキドキしながら電話をかける。

若くして急逝した同安居のお墓参りを来週計画しているのは、先日の日記にも書いたとおり。住職でしたので、お墓は当然お寺にあります。突然尋ねていっても驚かれるでしょうから、予め電話をしておくことにしました。


でもなかなかかけられません。同安居の前の御住職が早くに亡くなられたようで、同安居は若くして住職となっていました。お寺が忙しかったのか、結婚はまだでした。


兄弟の話も聞いた覚えがありません。本山で半年も同じ寮舎にいたんですけれどね。そういえば家族構成、聞いたことがないのです。


兄弟がもしいないとなると、お寺にいるのは彼のお母さんだけとなります。後継住職もいないとなると、近隣のお寺さんで兼務してもらうことになるのでしょう。でも、その後、親族から後継者を出せないとなると、お母さんは身の置き場がなくなってしまいます。


そんな状況が想像出来るから、どう声をかけて良いのか分かりません。電話口でそんな話にはならないでしょうけれど、元気なトーンの声でないことは想像出来てしまいます。


夕方になって、ようやく思い切って電話をかけることが出来ました。同安居であり、お墓参りに行きたいことを伝えると、ありがとうございますと嬉しそうな声を上げていただけました。


こっそりとお墓参りだけして帰ろうかと考えたこともありましたが、やはり、しっかりとご挨拶もしたほうがよさそうです。遠方の同安居だからこそ、聞かせていただける話もあるかも知れません。


現地滞在時間はたっぷりとってあります。ゆっくりとお参りして、可能であれば、お母さんとお話しさせていただいて、私の知る彼の姿も、伝えて来たいと思います。きっと、自分の知らない息子の話を聞くのは、嬉しいと思いますから。