書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

火葬場問題

入出から火葬場が無くなると言うことで、ここしばらく揺れています。焼却場や廃棄物処分場などと同じく、あまり好かれない施設です。でも、火葬場もまた、無いとみんなが困る施設。


紆余曲折あって入出に作られた火葬場が、無くなるというのです。合併した新居町の火葬場の方が新しいし、平均化して計算するなどすると、それで炉の数は足りる、という話。


そんな単純に計算できるものじゃないと思うんですけどね。それ以外にも複雑な事情があって、揺れているわけです。


自治体と自治会の関係はともかくとして、我々僧侶にとりましても、影響の多い問題です。個人的には火葬場がかなり遠くなるのがまず大きな影響で、今までの葬儀及びその間に入れ込む一日のスケジュールの組み方を大幅に変えなくてはなりません。


変えるというか、火葬場への移動の時間が大きく取られるので、他の用事をする時間が無くなる、ということですね。僧侶というのは、とかく地域の役や、保護司や民生委員などの国や自治体からの委嘱による役を多く引き受けます。社会からの期待に応えるために、可能な限り引き受けます。


でも、それらは、一泊研修も頻繁にあったり、普段の会合があったりして、かなり時間を割かねばならない仕事です。我が師もいくつものお役を引き受けていますが、お寺にいる時間があまりとれないという事態になっています。


そうした状況下で、さらに時間の自由が奪われると言うことは、お寺にとっては大変な影響を与えます。僧侶本来の姿をしている時間が短くなるのですから。


この先いったいどうなるのか。市の北部と南部に火葬場が分かれているというのは、市民にとっても利便性は高かったと思うのですが。一つにするなら、中央部にないと。


もっとも、この辺りの自治体では火葬場はひとつしかないのが当たり前ですし、辺鄙なところにあることが多いというのも理解しています。


でも、炉の数のことも心配ですし、今までよりも不便になる可能性があるとなると、自分だけで無く、周囲の反応も心配です。


経費がどれほどカットできるのか知りませんけれど(まだ市の広報などで分かりやすく示されたデータは無いと思う)、それによって失うものを、ちゃんと把握できているのか、それもまた心配です。


湖西市が、ギスギスした街にならないで欲しいのです。