書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

恒例、灰作務

お日様も拝めて、風もおだやか。絶好の灰作務日和です。お寺中の香炉を集めてきて、灰を炉でこして、きれいにします。単純作業です。本来はさらに灰を香炉に戻した時点で「灰ならし」というステップが必要になります。


平らなへらを使って、灰が真っ平らになるように丁寧にならしていくのですが、正太寺が現在使っている灰は、灰ならしに向かない灰。一粒一粒が大きくて、灰の中に空気を含むため、線香が灰の中に残りづらく、最後まできれいに燃えるという特徴があります。ただ、空気を含んでしまうため、へらで上から押さえつけてもすぐにふくれてしまい、平らには出来ません。


そこでどうするかというと、香炉全体を軽くトントンと作業台の上に落とすことによって、灰の中を引き締め、とんとんの角度でなるべく平らになるように調整をします。灰ならしをすると香炉一つに付き数分かかりますが、トントンするだけなら数秒。きれいに平らに出来ない代わりに、作業時間は大幅短縮されました。


不器用な私には灰ならしは高度にテクニカルな作業であったため、これは大変嬉しいことです。でも、他のお寺で大きな行持に随喜したときに灰ならしに手を出せないという状況も生み出してしまいましたが。


時間が大幅短縮されたものの、それでも全体で2時間ほど時間がかかります。風が穏やかな時間帯もそう長くは続かないため、たいてい、途中で風がふき出して、灰まみれになります。慣れっことは言え、喉もいがいがしますしね。作業後のうごいが気持ちいいこと気持ちいいこと。


そしてこうして香炉がきれいになると、新年を迎える準備が整ってきた実感がわいてきます。気持ちが良いです。


年の瀬も押し迫ってきました。このまま、体調を崩さずに、乗り切りたいものです。