書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

本葬儀

昨日のお大夜に続いて、本葬儀。
2時開式と言うことで、配役寺院の集合は1時となっていました。受付なので少し早めの15分前に到着。急いで遺意を屋外テントに設けられた受付場所へ運び、到着帳を広げ、香資を受ける三宝をセッティングしました。


ここから生々しい話。
頂いた香資は、中身を抜き取って可漏だけを祭壇にお供えします。中身は安全な場所に保管するわけです。ついでに中身を集計して、確かに金額が揃っていることを確認して、お寺にお渡しします。これがなかなか大変。


中身を取り出し、金額を確認し、表に書き込んで。受付を中断するわけにはいきませんから、合間が空いたところでささっと作業です。屋外テントと言うことで、一般のお檀家さんからも見える位置です。おおっぴらに中身を出してお金を数えるわけにはいません。しゃがみ込んでイスの上に広げて数えて。普通のパイプイスですから、作業面積は広くありません。表に書き込むのもなかなか苦労します。曹洞宗は可漏なのでお金を取り出しやすいのですが、宗派によってはとても取り出しにくい方式のこともあります。あれが一番ヤだな。今日は風が強かったので、飛ばされないかそれも心配でした。


護寺会の会計さんが一緒に受付をしてくれましたので、遺意の渡しそびれも無く、また失礼なシーンもなく、なんとかやりくりできました。10分前にいったん打ち切り、三宝ごと香資の可漏を水引で結んで、祭壇に運びます。


会葬のお寺さんが多い場合ですと、10分前になってもまだまだご到着されることがあるのですよね。そうなると正直とても困ります。今回はそういうこともなく、みなさん早めのご到着で助かりましたが。


開式後、集計を始めます。場所は引き続き屋外テント。遅れて到着されるお寺さんがいないとも限りませんので、受付を閉めて場所を変えるわけにはいきません。でも参列のお檀家さん達から丸見えです。お金を数えるのは、机の下でこっそりと、です。


大きなお寺であれば、部屋がいくつもあるので受付を屋内で行えますけれど、湖西市辺りではそんなことできるお寺はほんの数ヶ寺だけです。こういう時だけは大きなお寺がうらやましいですね。こっそりしなくても、部屋を閉じて堂々と数えられますから。間違いも減ることでしょう。


今回は、集計は一発OKでしたよ。前回受付の配役を頂いた別のお寺さんの時には、なかなか帳尻が合わなくてヒヤヒヤしましたが、今回はあっさりと表の中での合計と現金の合計が合ってしまい、心配になって何度も数え直すほどでした。


閉式後、お寺さんに厳禁をお渡しし、謝宜を配って回って、任務完了。何のトラブルもなく、受付以外にも何のトラブルもなく、こんなにスムーズに進行したお寺の本葬儀は、なかなか無いんじゃないでしょうか。たいていどこかで誰かがトラブル対処に奔走しているものです。


遺体の挨拶も、総代さんの挨拶も、良い挨拶でした。願わくば、住職亡き後も、スムーズにお寺の継承が進みますように。