書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

職員会議日記

今日は宗務所で職員会議。来週頭に迫った人権学習現地研修会(一泊二日)の最終確認と、来年中に開催する檀信徒大会が主な議題でした。


人権学習は、長野県まで行きます。曹洞宗には被差別戒名問題というのがありまして、過去に差別的な戒名を付けたという歴史があるのです。例えば動物の名前が入っていたり、生前に差別されていたことが分かるように記号的に文字が入っていたり。


そうした過去に対して、戒名を付け直し、過去帳を修正し、またそれらをすべて宗務庁へ報告して検証する、といったことを行ってきました。まだここ20年ぐらいの間の話です。


幸い正太寺にはそうした事例はありませんでした。動物の名前が入った戒名はありますが、本人の名前に代々動物の名前が入っているのですよ。戒名を付けるに当たって、動物から名前を取ったわけではなくて、本人の名前から取ったわけです。


そして、戒名にそうした事例があると言うことは、墓石にも彫られているということ。正太寺のお檀家さんの場合は、最近はあまり、墓石に戒名を彫るということはしませんが、そういう墓石もあります。そして、墓石に彫られた字というのは、風雨にさらされても石がしっかりしていれば何百年とそのまま残るのです。


そうして残っている墓石が、今回訪れる先にあるのです。それを見学させていただき、またご供養の法要も行ってきます。そうして自分の目で差別的な戒名を見ることによって、亡くなってからもそんな戒名を付けられて差別された方々の気持ちを、自分のこととして感じるのが、研修の最大の目的です。


その瞬間に私がどんな感情を持つのかはまだ分かりません。どう感じたかにせよ、それを一生涯忘れないように、しっかりと記憶してこようと思います。


そして来年の檀信徒大会。宗務所の任期は4年間。その任期の間に一度、檀信徒大会を開催する習わしになっています。今期宗務所の檀信徒大会は、まだ大枠も決まっていません。9月の頭頃に開催するというのはおおむね決定しました。講演などの、よそから人を呼んでどうこうではなく、自分たちで作っていくという形になりそうです。


この話はこれから急速に詰めていくことになります。職員の一員として、私もしっかりと取り組んでいこうと思います。


残す任期ももうあと一年です。あっという間のような、長かったような。この3年間ですでに、たくさんのことを学ばせて頂きました。残り一年も、勉強勉強です。