書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

手巻き時計は安心感が違う

もう8年ほど前になりますか。手巻き式の時計を買いました。電池でなく、ゼンマイで動く昔ながらの時計です。時計のこと、今でもあまり詳しくないのですが、その時はもっと詳しくなくて、ベルメゾンのカタログをめくっていたら、シンプルで余計な物がついていなくて、あまり見たことのない色の時計が載っていたんですよ。


ちょうどシンプルな時計が欲しいと思っていたところでしたので、値段にしばし悩んだ物の、数日後に注文をしました。2万円ぐらいでしたかね。その当時の時計への金銭感覚からすると、とても高い物に感じました。今はすごく高い時計が世の中にはあると言うことを知っていますので、それらと比べたら安物に分類されてしまいますが、でも機能的には何ら問題ないし、今でも気に入って使っているし、似合わない高い時計を背伸びして欲しがるよりも、その頃の小遣いでなんとか買えたこの時計への愛着は深まるばかりです(逆に今の小遣いだとなかなか手が出ない金額ですが(涙))


ハミルトンのカーキ。知ってます?その中のネイチャーってやつです。数年前に廃盤になったモデルですね。日付も入っていない、それはそれはシンプルな時計。カーキ色なので、珍しいと言えるかもしれません。


http://hamilton.exblog.jp/5223841/
ランド・ホーというハミルトンの国内正規品しか扱わない時計屋さん(ハミルトン屋さんと言うべき)のブログに、修理した時計の紹介でちらっと載っています。現行モデルだとフィールドというのが後継モデルと位置づけられているようですが、日めくりカレンダーが入るんですよね。あれ要らないんだよなぁ。値段もすごく高くなってますね。この値段だったら買わなかったと思う。


末永く使うにはオーバーホール(分解掃除、点検)が必要なのです。メーカーが言う言葉を鵜呑みにすれば、3年に一度ぐらい。もう8年ぐらい使ってますから、一度ぐらいオーバーホールしてもらった方が良いのですが、製品価格と同じぐらいの費用がかかるのがネックで、なかなか踏ん切りがつきません。


で、日記のタイトルの件ですが、この時計、最初に書いたように手動巻き機械式時計です。いわゆる電池で動くクオーツというタイプの物が出る前に一般的だった機構ですね。自動巻機械式は、今でも高級時計に多く残っています。


手巻き式って、たぶん自動巻よりも部品点数が少ないはずので、壊れにくいはず。クオーツのように電池が不要なので、電池切れで肝心の時に使えないと言うこともありません。ただ、2日ぐらいでゼンマイが切れますから、朝腕に巻く前に毎日ゼンマイを巻いているようなことになります。最初の頃はゼンマイを巻く右手の親指と人差し指の指紋が無くなるかと思うほどすり減りましたが、今では平気。人間の適応力って素晴らしいですね。


この、巻いてやらなきゃ動かない、というのが良いんですよ。自分が必要とされているように感じて。今では毎日着けるようなこともないのですが、会合なんかには時折着けていって、だれか食いついてこないかなぁと待ち構えているのですが、みんな無反応ですね。お坊さんの間ではハミルトンは不人気なのでしょうか。かなり奇抜なデザインの時計が多いメーカーなので、見ているだけでも面白いんですけどねぇ。カーキネイチャーだけなぜこんなに「普通」っぽいのか不思議に思えるぐらいです。


もうかなり傷もついているので、かえって安心して着けていられるし、電池切れになることもないし、今後も一番身につける頻度の高い時計であり続けることでしょう。てことはやっぱり、オーバーホールもしてあげないといけませんね。ここまで気に入る時計ってそうそうありませんから、大事にしなくては。(ただ、幸いなことに、私は持っている時計2つともとても気に入っているのです。これはすごいことですよ。)