書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

總持寺祖院拝登、そして帰宅

今日は大本山總持寺祖院に拝登させていただきました。私が修行させていただいた大本山總持寺横浜市鶴見区にあるのですが、元々は石川県輪島市にありました。明治31年、大火によって伽藍の大半を消失し、それを契機ととらえて人口の多い横浜へと移転をしたのです。


移転をしたといっても、ご開山瑩山禅師の霊廟である伝燈院は大火を免れて健在でしたし、何よりも伝統ある地ですから、そのまま放置はされずに伽藍がしっかりと再建され、今も地方僧堂として修行の場として機能しています。


先の能登半島地震にて大きな被害受け、現在も修行生活の中心である僧堂は使えないままになっています。法堂の正面扉もゆがんでしまったまま。こちらは文化財であるために勝手に修理をするわけにはいかず、どのように修復していくべきか、文化庁と話し合いをしている最中なんだそうです。


また、法堂の縁の下にも2本の亀裂が入っていて、それを直すために建物全体を持ち上げる計画があるんだとか。とても大きな建物なのですが、それを持ち上げるなんて想像も付きません。木材は地元の木を使っているそうで、同じ規模での新築は出来ないそうです。そんな事情もあってひたすら「修復」となり、修復というのは新築以上に費用が必要で、ざっと40億円程度が見込まれているそうです・・・


バスの中で募金を募ってお渡ししてきましたが、40億は入ってなかったと思います。


山内の修行僧も、修行の傍ら、修繕作業に追われておりまして、そんな中でも拝登諷経をお勤めさせていただきました(私は相変わらずカメラマン)。とてもありがたかったです。永光寺でもそうでしたが、不思議と感動がこみ上げてきました。ほんとに、不思議です。


不思議なことと言えば、仏殿にお祭りされている御本尊のお釈迦様は、地震にあっても1センチも動かなかったそうです。建物自体にはやはり手を入れなくてはならない状態のようですし、地震直後の写真によれば、あらゆるものが倒れたりして散乱していたのですが・・・
さすがお釈迦様です。


總持寺祖院拝登の後は、昼食をとってあとはひたすら帰路です。幸いなことに東名集中工事の影響もそれほど受けず、予定よりも1時間程度遅れただけで戻ってくることが出来ました。体はだいぶくたびれていますが、気持ち晴れやかなのは、毎日お寺にお参りしてきたからでしょうか。参加者のみなさんも同じ気持ちでいてくださったら、うれしいなぁ。